宇宙用モビルスーツ
モビルスーツはその名(Mobile SUIT : Mobile Space Utility Insturment Tactical : 戦術的機動汎用宇宙機器)が示すように、元来宇宙空間での使用を前提に誕生した兵器である。従って宇宙用モビルスーツ、という呼称は言語矛盾を孕むものではあるが、MSはその高い汎用性を以って様々な局面で活躍し進化を遂げていったため、逆に宇宙用MSというカテゴリーが成立し得るようになった。ここでは宇宙での使用を想定して開発されたMSとともに、地上用、水陸両用といった他のカテゴリーに特に属さないMSも扱っている。
ジオン軍のMS開発の流れは、そのままMSそのものの開発史と重ねることができる。ミノフスキー粒子散布下における新機軸の兵器開発は、人型で汎用性が高く、有視界戦闘を行うMSという結論を導き出した。MS-01に始まり、MS-06CザクIIで汎用主力機として完成を見たジオンMS開発は、その後ザクをベースにした特殊化の道を歩んでゆく。この流れは地上用、水陸両用といった他のMS開発においても同様である。一方ザクシリーズの中で最も多く生産されたMS-06FザクIIは、そのまま汎用主力MSとしての頂点を極めていた。
正統なザクシリーズの最強機種とも言えるMS-06Rシリーズは高いコストと操縦テクニックを要求しながらも驚異的な性能を示した。しかしそれは同時にザクの限界でもあった。ザクを開発したジオニック社の開発者達はあまりにも優秀だったザクの設計から発想が離れられず、次期主力機の開発は遅々として進まなかった。軍は仕方なく地上用MSとして優秀だったMS-09ドムを宇宙用に改装して暫定的に主力MSとして採用することになる。
遅れていた次期主力MSは、大戦末期にYMS-14ゲルググとして完成した。ビーム兵器を標準装備したこのMSは連邦のRX-78に匹敵する性能を秘めていたが、完成が遅すぎたため悪化した戦局を覆すには至らなかった。一方大戦末期には不利になった戦局を打開するため幾つかのMS開発プロジェクトが進められた。その一つがペズン計画(Project PEZN)である。
ペズン計画はジオンの兵器研究・開発工場があった小惑星基地ペズンで進められたことに由来する。ここでは多様化したMS運用に対応する局地戦用MSの開発が目的とされていたが、実際はツィマッド、MIP、スウィネンなどが軍の主導の下で、ジオニック色を排除したMS開発を行うものであった。実際に十分な性能を持ち、量産されたMSは少ないが、様々な新機軸を持つMSが開発されており、ジオン技術陣の潜在的能力の大きさをうかがわせている。
もう一つは統合整備計画(第2期生産計画)である。次々と前線に送り出される新型MSは、戦場において多くの混乱を招いていた。新型機が開発されるたびに部品の規格や操縦法方が変わり、それらが統一されていなかったからである。そのため折角の新型機も効果的な運用がなされていなかった。統合整備計画はこうした問題を解決するためのもので、MS-06F、MS-09R、MS-14Aの3機種を全面的に改修した機体を再開発した他、これ以降開発されたMSは全てこの規格に準じている。なお、MS-06Fについては生産台数が多かったため、在来機を改造した。これらは第2期生産型MSと呼ばれている。
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