MS-18E ケンプファー

(KAMPFER)


強襲用として開発されたケンプファーは、試作を重ねたMS-18Eに至ってようやく各性能のバランスがとれるようになり、後は具体的な運用試験を残すのみとなっていた。この18Eは試作機のYMS-18と比べて全体に丸みを帯びたデザインとなり、耐弾性が向上している他、ジェネレーターの強化や各装甲配分の整理などが行われている。

一方強襲用としての設計思想は更に煮詰められており、その爆発的なスピードを活かすため機体の軽量化が進められた。武装も基本的に使い捨てとし、予備マガジン等も一切携帯しなかった。また使用した火器ばかりでなく、その武装を機体に固定するラッチすら使用後は切り離して捨ててしまうという徹底ぶりだった。

MS-18Eの武装は強力である。専用に開発されたショットガンを1挺使用する他、後部スカートに予備のショットガンを1挺装備していた。また背部には改良型ジャイアント・バズ2挺、両脛部にシュツルムファウストを1基ずつ装備可能で、更に頭部には固定武装として近接戦闘用60mmバルカン砲2門という重武装ぶりである。全身をハリネズミのように武装したフル装備の状態は、まさに強襲用MSと呼ぶにふさわしい威容を備えていた。

こうした武装を見れば判るが、使用する火器は実体弾が中心である。これは強力なビーム兵器を使用すると、ジェネレーターの出力が下がり、本来の爆発的な推力を低下させるからである。ここでも開発コンセプトの徹底化が見られる。しかし例外として、近接戦闘用のビームサーベルが用意された。また後述するサイクロップス隊が使用した際には、チェーンマインと呼ばれる特殊兵器を使用している。これは10数個の爆雷を鎖状に繋げたもので、対MS戦において相手に巻き付け、一斉に爆発させ粉砕するというものである。

MS-18Eは極めて優秀な機種であり、そのポテンシャルは連邦のRXシリーズにも見劣りしない程であったが、その特殊性が災いして脚光を浴びなかったMSである。生産台数は不明だが、確実な記録が存在するのは1機のみである。この機体は運用試験を兼ね、特殊任務を行うサイクロップス隊へ納入された。しかしサイド6において連邦軍のRX-78NT-1と交戦・破壊された上、その直後に終戦を迎えたため、このMSの存在はほとんど知られていない。


MS-18E ケンプファー

全 高 ? m 自重量 43.5t 総出力 ? kw センサー

有効半径

? m
頭頂高 17.7m 総重量 78.5t 総推力 159.0t


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