MS-06C ザクII前期生産型

(ZAKU II)


UC0077年8月に試作機がロールアウトしたMS-06Aは、MS-05よりはるかに高い性能を有し、直ちに量産が決定した。しかしキシリア・ザビ大佐は将来連邦軍が対抗兵器としてMSを開発した場合を想定し、装備の見直しを命じたため、ジオニック社は急遽量産を中止して再設計を行った。こうして開発されたのがC型である。C型は左肩にスパイクアーマー、右肩にシールドを装備したのに加え、接近戦用のヒートホークを装備していた。これは刃が高熱化して対象物を溶かし切るMS用の斧である。C型はUC0078年1月に量産が開始され、公国はこの時点より本格的な戦時体制へと移行していった。

C型は開戦当初の主力機であり、一週間戦争、ルウム戦役、ブリティッシュ作戦などで活躍した。特に対艦戦においては核弾頭を装備したバズーカ砲を使用し、圧倒的な戦果をもたらした(実際は爆発に巻き込まれ、生還したものは少ないと言われている)。そのためスペースドアーマーの空間に放射能遮断剤を充填した特殊装甲となっており、総重量は87tに及んでいる。核兵器の使用を禁じた南極条約締結後は、対核仕様の特殊装甲が取り外されたF型が主力となり、C型も順次F型に改装されていった。

また、公国軍は地球侵攻作戦を前提とした局地戦用MSの開発ベースとして、当時最新型であったこのC型を使用している。俗にMSVと呼ばれるMSの特殊化の道は、より宇宙戦仕様として純化したF型も含めて、全てこのC型から始まったのである。MS-01に始まる汎用兵器への模索はこのC型という一点において完全に収束し、これ以降のMS開発はここを基点として拡散していくのである。それは連邦軍のMS開発も例外ではない。こうした意味でこのC型はMS開発史上記念碑的な機種であり、MSの歴史を語る上で欠かせないMSであると言えよう。


MS-06C ザクII前期生産型

全 高 17.5m 自重量 72.0t 総出力 ? kw センサー

有効半径

3200m
頭頂高 17.5m 総重量 87.2t 総推力 43.0t



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