MS-06R-1 高機動ザク
(HIGH MOBILITY ZAKU)
F型の総合的な性能向上を目的として開発されたRシリーズは、テスト機であるRP型を経てR型の量産が決定した。まず初期生産分22機が発注され、ロールアウトした機体は実戦テストを兼ねて本国防衛隊を皮切りに各要塞基地、パトロール艦隊に順次配備された。しかし、R型は期待された通りの性能をそのまま発揮できた訳ではなかった。開戦当初の作戦でMS-05以来の優秀なパイロットを多く失ったことは未だ大きな影響を残しており、高機動型として開発されたR型を満足に操縦しきれぬパイロットが続出したのである。
これはF型にも言えることだが、未熟なパイロットは機体内部に僅かしか搭載できない推進剤をすぐに使い果たしてしまうのである。これはスラスターに化学燃料ロケットを採用しているザクシリーズの共通の欠点といえよう。その後宇宙戦用の主力機種となったMS-09R以降は核融合炉と直結した熱核ロケットを採用しているため、この欠点は多少改善されている。ともあれ、優秀なパイロットにあまり恵まれなかったことが大戦初期以降のジオン製MSの不運といえよう。
また当時のジオンにおけるMS生産体制はF型中心となっていた。そのため生産施設の設計変更が必要なR型は生産・運用の両面で高いコストを要求する上、それに見合う成果が挙げられないという不名誉な結果となったのである。そのためR型の量産は初期生産分の22機に留まり、事実上中断されることになった。しかしR型の高いポテンシャルを活かしたいと考える技術者達は、燃料供給やメンテナンスの煩雑さを軽減するための改修案を軍部に提出し、R-1A型が誕生した。機体の武装は通常のザクと変りなく、120mmマシンガンや240mmバズーカ、ヒートホークなどである。
R-1型を駆るエースとして有名なのはソロモン方面軍のシン・マツナガ大尉である。26歳という年齢にして開戦より5隻のサラミス級巡洋艦と1隻のマゼラン級戦艦を撃沈せしめ、ドズル・ザビ中将の戦場視察(実際は戦闘参加)の際には中将の護衛を務め上げた猛者である。彼は自らの乗機をホワイトとグレーで塗装し、「白狼」として恐れられた。マツナガ大尉はソロモン攻略戦の際、勲章授与のため本国に帰還していたため、攻略戦には参加していない。また、その後の消息も不明である。なお、マツナガ大尉のR-1型も後にR-1A型に換装されている。
全 高 | 17.5m | 自重量 | 61.8t | 総出力 | 1012kw | センサー
有効半径 |
3200m |
頭頂高 | 17.5m | 総重量 | 76.8t | 総推力 | 49.8t |
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