MS-06R-2P 試作型高機動ザク

(HIGH MOBILITY ZAKU TEST TYPE)


ジオン公国ではジオニック社を中心にMS-06FザクIIに変わる次期汎用主力MSの開発を進めていたが、開発は予定から大幅に遅れていた。それは06Fが汎用機として非常に完成されていたため、技術者達の発想がかえってそこから離れられなかったからである。業を煮やした軍は地上用MSとして好評だったツィマッド社製のMS-09を宇宙用に改装し、暫定的に主力MSとして採用するプランを提示した。

これはジオニック社に大きな衝撃を与えた。MSという兵器そのものの開発から関わってきたジオニックとしては、MS開発・生産の主導権をツィマッド社に奪われることは何としても避けねばならなかったのである。しかもMS-11として進められていた次期主力機の開発は大幅に遅れており、特に予定されていたビーム兵器の標準装備化は見通しすら立っていなかった。そこでジオニックはエースパイロット用として開発されたMS-06Rシリーズを以って新機種選定に名乗りを挙げたのである。それはビーム兵器の装備を見合わせても総合的な性能に優れているなら、という判断が下りたからであった。

06Rシリーズは高性能ながらザクの基本設計の限界から多くの問題を抱えており、取り扱いのクセの強さから一部のエースに使用されるに留まっていた。もっとも少数生産に終わった最大の理由はその運用環境も含めたコストの高さにあったとされている。ジオニックが競作機として提出した機体は生産中止に終わったR型の最終モデルR-1A型を大幅に改修したMS-06R-2であるが、MS-06R-2Pは競合に提出されたR-2の前段階として1機のみ製作されたMSである。

06R-2との違いは搭載されているジェネレーターであり、開発中だったMS-11のものが試験的に使われている。そのため容積が1.4倍増加しており、胸部の前後幅がその分大型化し、ハッチパネルまでバルジが突き出ている。その代わり低圧力ながらビームライフルの使用が可能となっている。これは試作中のMS-11のものを流用したものであったが、実用に耐えるものではなかった上に、機動力が大幅に低下するため、採用は断念された。MS-06R-2はジェネレーターを再び06R-1A用のものに戻し、機種選定に向けてより実戦的に製作されたものである。


MS-06R-2P 試作型高機動ザク

全 高 17.5m 自重量 ? t 総出力 ? kw センサー

有効半径

3200m
頭頂高 17.5m 総重量 ? t 総推力 ? t


宇宙用モビルスーツに戻る

MS-06R-1に戻る

MS-06R-2へ進む