MS-06E ザク強行偵察型

(ZAKU RECON TYPE)


開戦当初圧倒的な戦果を挙げたMSであったが、それはミノフスキー粒子散布下における新体系の兵器という利点を最大限に利用していたにすぎなかった。連邦軍の死にもの狂いの戦力の建て直しによって戦線が膠着化した大戦中期以降、国力の乏しいジオンは大艦隊とMS機動部隊による大規模な作戦は行えないでいた。MSは、圧倒的な戦力の裏付けによる一大作戦か、少数による隠密作戦にしかその利点を生かせなくなっていったのである。MS-06Eはこうした状況の下でMSの宇宙戦闘機としての観点から偵察部隊の確立のため開発されたものであるが、それはあくまでザクの万能評価に基づく簡易機に過ぎないものであった。

MSの機動力を活かした戦略偵察機として転用された06Eは、当初Fタイプと比べても装甲を薄くせずユニット化された探知システムを装着しただけの極めてマイナーチェンジのものが計画された。これは戦闘状態に突入した場合の即時武装化に軍部がこだわったからである。しかし試作機は死角から徐々に軽量化が図られ、06S用のロケットエンジンをボブアップした改良型が装備され、頭部には通常のモニターカメラの代わりに大口径の高精度カメラがつけられている。またガラスシールドは排除され、上方向へ向けての縦ロールができるようスリットが追加されている。

機体内部では推進剤の搭載量が10%増加され、右肩シールドと左肩アーマーの代わりにカメラユニットが1基ずつ設置されている。さらに股間にもカメラユニットが1基追加された。その他の各種探知システムは内蔵されている。さらに緊急脱出用としてロケットスラスターが1基ずつ、両胸に装備されている。通常のザクと大きく設計を変えたのはここのみである。

MS-06Eの実戦配備は比較的早く進んだが、生産数そのものは100機ほどで極めて少ない。偵察型のため武装はなく、オプションとしてCE-16TXカメラガンを使用することもあった。大戦中期以降はノーマルのグリーンに代わって、濃灰色や濃紺などの暗視塗装を施したものが多くなっている。しかし偵察小隊によっては在来の戦闘機パイロットが参加することも多く、偵察機ながらエースパイロット並みの派手なマーキングやカラーリングも確認できる。パイロットの熟練による軍内部での黙認というジオン軍の体質をよくあらわしていると言えるだろう。


MS-06E ザク強行偵察型

全 高 ? m 自重量 ? t 総出力 ? t センサー

有効半径

? m
頭頂高 ? m 総重量 ? t 総推力 ? t



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