MS-06R-2 高機動型ザク

(HIGH MOBILITY ZAKU)


MS-06Fに代わる次期宇宙用主力MSとして暫定的に採用されようとしていたツィマッド社のMS-09Rに対抗するため、ジオニック社はMS-06R-2を開発、新機種選定に提出した。これにあたってまず試作機のMS-06R-2Pが製作され、これにはビーム兵器装備の希望を託してMS-11(後のYMS-14)用のジェネレーターが搭載されていたが、様々な問題からビ−ム兵器の使用は断念された。その後機種選定に向けて4機のR-2が製作されたが、その内の1機はジェネレーターの仕様を変更したRP型である。

R-2は生産中止に終わったR型の最終モデルRー1A型を大幅に改修したものである。改修点は脚部装甲の強化、推進剤搭載量の18%増大、各部装甲材の変更(軽量化、耐衝撃性の向上)、それまでのザクとは違ってコックピットへの搭乗方式を直接行えるように右胸のハッチの部分をスライド式コンソールに変更したこと、などである。また、脚部の装甲も4機の中でそれぞれ多少の差異が見られ、大きく分けると脚内側のロケットエンジンのフェアリングにカバーに面をそろえるものと、後側ロケットエンジンまで囲むものの2種類があった。

ベースに使用されたのが元々F型とは中身が殆ど違うR-1A型であったため、このR-2型はザクの皮は着ているものの新型若しくは新開発機といっても差し支えないほどの別物であった。事実グラナダ基地で行われた公開テストでは、再びエリオット・レム中佐によって操縦され模擬空戦における機動性、最大戦速時の攻撃力の高さを証明して見せた。

しかし火器搭載量、生産性に問題があり総合評価でR-2型はMS-09Rリックドムに敗れた。その後試作された4機は、社内研究用の1機を残してパイロットへ供されている。戦線に投入されたR-2型の使用例で最も有名なのは突撃機動軍のジョニー・ライデン少佐であろう。R-1A型の選定に漏れ、代わりにR-2を受領した彼の機体は真紅に塗装され各所に黒をアクセントとした実に鮮やかなものであった。

もっとも少佐の戦功によって高名かというとそうでもなく、むしろ戦後の軍事記録写真集などで少佐の乗機が「赤い彗星」ことシャア・アズナブル大佐のものと間違って紹介されたことによる所が大きい。少佐のR-2型の使用期間は比較的短く、その後は新鋭MS-14のエース部隊へと参加している。

残りの2機はア・バオア・クーとソロモンに1機ずつ送られ、それぞれギャビー・ハザード中佐、ロバート・ギリアム大佐が使用している。ハザード中佐の機体は黒と茶に、ギリアム大佐のものは青とクリーム色に塗り分けられていた。なお、ロールアウト時から全ての機体にジオン独特の飾り棒がつけられているが、これは指揮官クラスに使用されることを前提とした、というよりデザイナーの自己主張であったとされている。


MS-06R-2 高機動型ザク

全 高 17.5m 自重量 ? t 総出力 ? kw センサー

有効半径

3200m
頭頂高 17.5m 総重量 ? t 総出力 ? t


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