MS-06R-1A 高機動型ザク

(HIGH MOBILITY ZAKU)


F型の性能向上を目的として開発されたR型は、燃料補給やメンテナンスの煩雑さから一旦生産が中断された。しかしR型の高性能は捨て難いものがあり、また相変わらず熟練パイロットからの要請も強く、ジオニック社はR型の改修プランを軍部に提出した。

当時MSの燃料補給は母艦であるムサイ級などのMS運用艦で行っていたが、改修機では脚部の推進剤供給システムがより短時間で補給可能な簡易カートリッジ式に改良された。またパイロットの問題も各MS部隊で熟練者の照合を経ることでより適正な配備が行われるようになった。完成した改修機は当初の予定を上回るスペックを示し、早速量産が再開されたのである。これ以降改修前の22機をまでを便宜上R-1型、改修後に生産されたものをR-1A型として区別する。また、R-1型の内10機はR-1A型に改修された。

このR-1A型はRシリーズ中で最も生産台数が多く、戦場で活躍した機体である。運用はムサイ級に専用の補給装備を設けR型を主とする、或いはのみで構成する1個小隊単位に1機の割合で補給用のザクが随伴した。Rシリーズ自体の性能は申し分なく、特に熟練パイロット達によってその高性能が見出されたが、実際に稼動させるために必要な条件が複雑化し、低価格・簡易性を欠くためにその後の生産は中止された。とは言うもののエースパイロットからの評判はすこぶる良く、生産ライン上の10数機に至るまで各方面から引き合いがあった。そのため残数は注文調整の形で1機ずつが渡され、最終的に56機が生産された。

Rシリーズの使用例はエースパイロット達が多かったこともあり、派手かつ有名なものが多い。中でもキシリア少将直属でA・ガイア少尉(後に大尉で戦死)率いる「黒い三連星」は、ルウム戦役において地球連邦軍のレビル将軍を捕虜にしたというエピソードで最も有名であろう。彼らはチーム行動をとるようになってからMS-05、MS-06C、S、R-1A、と乗り継いでおり、S型からはブラック、パープル、ミディアムシーグレーの3色を基調としたチームカラーを用いている。これは彼らが初のMS-09小隊として地球に降下した際にも使用しており、後にMS-09の正式塗装としても採用されている。なお、黒い三連星小隊はオデッサ作戦においてRX-78により全滅させられている。

他にはグレー系のローヴィジリティ迷彩を施し、マルチブレードアンテナを左側頭部に装備した本国防空本隊所属のエリック・マンスフィールド中佐機や、茶系でまとめられたマサヤ・ナカガワ中尉の機体が有名である。この機体は戦後の格納庫内の写真において、そのカラーリングから地上用迷彩色と誤認されたことで知られる。その後脚部を含む写真が発見され、R型であることが確認された。ナカガワ中尉はア・バオア・クーに駐屯したEフィールド防空大隊に所属し、機体はマルチブレードアンテナが前頭部ではなく頭頂部についているのが大きな特徴である。


MS-06R-1A 高機動型ザク

全 高 17.5m 自重量 61.8t 総出力 1012kw センサー

有効半径

3200m
頭頂高 17.5m 総重量 76.8t 総推力 49.8t



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