MS-06X ペズンザク

(PEZN ZAKU)


一年戦争において活躍したジオン製MSの殆どが、その駆動方式に流体パルスシステムを採用している。これはジェネレーターで発生したエネルギーをパルス・コンバーターでパルス状圧力に変換し、流体チューブによって各部のアクチュエーターに伝達・駆動するシステムで、ザクやグフなどは数千本の流体チューブを束ねた動力パイプを一部機外に露出させている。一方、連邦軍のMSではフィールドモーター駆動が主流である。これはUC0077年にジオンから連邦に亡命したトレノフ・Y・ミノフスキー博士が中心になって研究が進められ、以後開発された連邦製MSに採用されている。

ジオン公国におけるフィードルモーターについての研究は、研究の中心であったミノフスキー博士が亡命した後も少しずつ進んでいた。しかし開戦直前の時期には完成した新兵器ザクの大量生産と地球侵攻作戦を前提とした局地戦用MSの開発に全力が注がれており、こうした基礎的な研究は後回しにされることが多かった。しかし大戦中期より連邦でもMSが開発中との情報が入り、しかもそれらがフィールドモーター駆動であるということからジオンでも本格的なフィールドモーター駆動のMS研究が進められるようになった。

この新技術のテストベットには例によってMS-06Fザクが使われ、開発はMS-06Xという仮称のもとにジオンのMS研究・開発拠点の一つ、小惑星基地ペズンで行われている。ペズンにはツィマッド社のスタッフが多くつめており、その研究施設としての性格が強いことから存在は機密扱いされていた。当時ペズンでは、新機軸のMS及びその周辺技術を広く模索したペズン計画が進められており、この研究も計画の一環として積極的に進められている。

ツィマッド社の技術陣によって完成した3機は従来の流体パルスシステムと新式のフィールドモーターの併用という中途半端なものではあったが、フィールドモーターの駆動そのものに大きな問題は見られず、作動は良好であった。このMSでフィールドモーターについての基礎研究はほぼ完了したと言え、引き続き全ての駆動をフィールドモーターで行う発展機が開発されることになった。試験機のため特に武装はないが、通常のザクと同じ武器を使用したテストなども行われていたようである。


MS-06X ペズンザク

全 高 18.0m 自重量 53.2t 総出力 951kw センサー

有効半径

3200m
頭頂高 17.5m 総重量 72.7t 総推力 43.0t


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