MS-11A アクトザク前期型

(ACTION ZAKU)


フィールドモーター駆動を採用した初のジオン製MSであるMS-06Xを受け継ぎ、全ての駆動をフィールドモーターで行う画期的なMSとして開発されたYMS-11は、テストでは良好な結果を出しつつも、本格的な量産は凍結されていた。ビーム兵器の使用ができないYMS-11は次期主力MSの候補からはずされ、新設計のYMS-15の開発が優先されたからである。しかし連邦軍からマグネット・コーティング技術に関する情報が入ると、再度このMSが試験機として注目を集めるようになる。

マグネット・コーティングとは+や−の磁性を持った液体をフィールドモーーターが駆動する際干渉する部位に塗布し、その反撥作用によって機体にかかる負担を軽減することで、反応速度を飛躍的に高めるという技術である。これは連邦軍ではモスク・ハン博士によって提唱され、アムロ・レイ少尉が搭乗するRX-78ガンダムに試験的に採用されたことで有名である。ジオンでもフィールドモーターと同時にマグネットコーティング技術の研究も進められており、研究の主体はやはりツィマッド社であった。

全ての駆動をフィールドモーターで行い、主要な部分にマグネット・コーティングを施した機体は、爆発的な加速力や移動力はないものの優れたAMBACシステムとそれを支える柔軟で軽快な動きがあり、特に近接戦闘において高い能力を発揮した。テストを視察した将官達も、そのなめらかで生物的な動きに舌を巻いたという。また、ここで完成したマグネット・コーティング技術は次期主力MSとして開発中だったYMS-15にも転用され、同機は全ての駆動部に処理を施したフル・マグネットコーティング機となっている。

MS-11はその高い運動性能性能を活かし、コロニー内や暗礁宙域などの限定的な空間における近接戦闘を得意としていた。そのため隠密作戦等を目的とする特殊戦用MSとして少数ながら量産が決定し、特殊部隊などに配備される予定であった。それに伴って機体は暗青色に塗装され、装甲の仕様を変更するなどしてよりステルス性を高めている。またアクトザクとしてのコンセプトは継承され、経験の少ないパイロットでも十分にその性能を活かせる操作性の良さは健在であった。

しかし遅れて完成した次期主力MS、MS-14ゲルググシリーズの量産が優先されることとなり、アクトザクの量産はまたもや一時中断される。これはアクトザクの運用の特殊性が災いした結果となったが、やがてその能力が再評価され、再び改修を受けB型として生産されている。既に量産されていた12機のアクトザクも順次B型へと改装されていき、便宜上改装前の機体をA型として区別している。

実戦に参加したアクトザクのほとんどがこのB型だが、戦後の写真集などで主に見かけるのは前期型あるいは開発途上のものが多い。これは実際に戦闘を行ったアクトザクの多くがその運用上、特殊部隊などの秘密任務に就いており、詳細な記録が残されていないためと思われる。

アクトザクには専用の武装が開発されることはなく、主にMMP-80型90mmマシンガンや360mmジャイアントバズーカ、ヒートホークなどを使用した。なお、ジェネレーター出力の問題からビーム兵器の使用は不可能であったが、運用上それほど強力な火器を必要としないため大きな問題はない。


MS-11A アクトザク

全 高 ? m 自重量 ? t 総出力 ? kw センサー

有効半径

? m
頭頂高 ? m 総重量 ? t 総推力 ? t


宇宙用モビルスーツに戻る

YMS-11に戻る

MS-11Bへ進む