YMS-07A プロトタイプグフ

(PROTOTYPE GOUF)


MS-06J陸戦用ザクはそれなりに期待された性能を発揮したが、その高い汎用性から逆に限界を見せはじめていた。そこでジオン軍兵器開発局は白兵戦用に機動性を向上させた新型MSの開発に着手した。開発は連邦軍から接収した北米のキャリフォルニアベースで行われ、軍が発注したプランに従ってYMS-07とYMS-08が進められた。YMS-07は軍兵器開発局とジオニック社の手で、そしてYMS-08はMS開発史上初めて地球攻撃軍の主導で行われている。

07は地上戦専用MSとしてラジエーターのパワーアップが計られ、格闘戦用に部分的に装甲を強化した。更に移動力を補うために脚部に補助推進システムを追加している。この有効性は既にMS-06Dで実証済みであった。また、砂漠や湿地といった極地での使用にも耐えられるよう、関節部の防塵・防湿対策なども念入りに行われた。結果として機体はザクの改良型でありながら、60%のパーツが新造となっている。

武装に関しては当初から固定武装化の方針で進められた。試作1・2号機には左腕に5連装75mmマシンガンを仕込み、右腕には格闘戦用にヒートロッドと呼ばれる伸縮式の電気鞭が装備された。また、装甲の分離化構想として腕部に着脱可能なシールドが用意された他、大気圏内での通信能力強化のため、頭部にシングルアンテナを装備している。これもMS-06Dで試験済みで、MS-06Kなどにも継承された。

オーカーを主体に塗装された試作機はキャリフォルニアベースでテストされ、良好な結果を示した。軍はすぐにMS-07グフとして正式に採用し、量産計画が進められた。グフはザクを改良したザク系のMSではあるものの、ザクの名を冠さない初めての完成したMSであり、これ以降ますます多様化・特殊化していくジオン製MSの第一歩として少なからぬ意味を持つといえよう。このプロトタイプグフは、実際に量産されたグフと比べてコックピット周辺の仕様や膝関節部の構造が若干違うだけで、基本的に同機種であると考えていい。


YMS-07A プロトタイプグフ

全 高 18.7m 自重量 58.5t 総出力 1034kw 地上速度 99km/h
頭頂高 18.2m 総重量 75.4t 総推力 40.7t


地上用モビルスーツに戻る

MS-06J/MS-06Dに戻る

YMS-07B/MS-07Hへ進む