MS-06D ディザートザク、ザクディザート

(DESERT ZAKU, ZAKU DESERT TYPE)


ジオン地球攻撃軍による侵攻作戦の過程で様々な改良がザクに施されたが、局地戦用として最も要請の高かったのは熱帯・砂漠戦用タイプであった。この要求に対しては既にYMS−07が開発中であったが、特に需要の高いアフリカ戦線向けとしてザクの改修プランが進められた。

このデザートザクの改修点は大きく3つ挙げられる。1つは機体の軽量化と実戦データに基づく増加装甲の追加である。特に戦争後期になると連邦軍もMSを開発・実戦配備することを予想して格闘戦用アーマーを左腕部に装備し、左肩部のスパイクアーマーも改良されている。また、実戦で最も被害の大きかったコックピット周辺にも増加装甲が施されている。

第2は軽量化に伴う機動性の向上で、ジェネレーター出力の向上と共に脚部にはYMS−07に先駆け補助推進ユニットを装備し、主推進ユニットはランドセルではなく後部スカート部に取り付けられている。これはランドセル部に大型の放熱ジェネレーターブロックが装備されているためで、これが第3の改修点である。

これはジェネレーター出力が向上しているのと、何より砂漠・熱帯戦用MSとして当然の装備であり、このMSの最大の特徴となっている。脛裏部にも放熱スリットが設けられ、十分な放熱効果が得られている。また、並行して専用の特殊武器の開発も進められた。

ロールアウトした試作機はD型の番号が与えられ、全体に角張ったデザインのMSとなった。頭部にはグフに先駆けて通信用アンテナが設けられ、実験部隊には識別しやすいシングルアンテナと頭部動力パイプの両脇に設けられたダブルアンテナの両タイプが配備された。

武装はラッツリバー型の着脱式ミサイルポッドが2種(腕部用3連装型と腰部用2連装型)と腰にSA-712クラッカーポッドが用意されている。また主武装には砂漠での使用にも十分耐えるM120AS型105mmマシンガンが用意され、接近戦用として頭部にブリッツ社製60mm機関砲が2門装備されていた。

 MS-06Dは配備しきれなかったグフやドムの代役を十分果たしたと言え、初期型は2種で43機ずつ、後期アンテナをシングルに統一して28機が生産された。


MS-06D ザクディザート

全 高 18.2m 自重量 61.3t 総出力 976kw 地上速度 80km/h
頭頂高 17.5m 総重量 79.4t 総推力 42.9t


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