MS-07A グフ先行量産型

(GOUF)


キャリフォルニアベースで試作されたYMS-07は、テストの結果も良好で早速量産が計画・実行された。しかしMS-07は当初右腕部用マシンガンと左腕部用ヒートロッドの生産体制が整う前に機体本体の量産が先行したため、固定武装を持たないまま実戦配備される機体も存在した。これを後の固定武装を装備したタイプと区別するため、便宜上A型と呼んでいる。

グフの右腕に装備された接近戦用のヒートロッドは、基本的に対MS用の装備であり、将来連邦軍がMSを開発・実戦配備した場合を想定したものであった。従ってグフが配備された大戦中期、つまり連邦軍のMSが戦線にでることのなかった時期には、使いようのない武装だったのである。また最大延長が18mと短く、対MS戦用としても不十分な点が多かった。元来奇襲・だまし討ち的戦法で使用する一種の隠し武器であり、相手がその存在を知っている状況で効果的に使用することは困難であった。戦術に長けた一部のエースパイロット達によって恐るべき威力を発揮したもの事実だが、いずれにせよどの機体にも装備するような一般的な武装ではなかったことは確かであろう。

一方左腕に装備された5連装75mmマシンガンも評判が悪かった。マニュピレーターの先端が銃口になっており、MSの指先から弾丸を発射する構造になっていたが、このためにマニュピレーターの自由度は極端に低下し、作業性や汎用性の面で著しい悪影響を及ぼした。火力は十分であったが、下腕部に格納される弾薬の携行量が非常に少なく、10数秒の連射しかできなかったという。

結局32機がA型として生産されたが、そのうちの一部は実戦配備後に生産が追いついたマシンガンとヒートロッドを現地で追加装備している。しかしグフの固定武装に関しては上記の様な悪評もあったため、多くの機体は敢えてそのままにされたようである。


MS-06A グフ先行量産型

全 高 18.7m 自重量 ? t 総出力 1034kw 地上速度 99km/h
頭頂高 18.2m 総重量 ? t 総推力 40.7t


地上用モビルスーツに戻る

YMS-07Bに戻る

MS-07Bへ進む