一年戦争における地球連邦軍の機動兵器


地球連邦軍の機動兵器開発は、大戦当初10年遅れているといわれていた。実際の開発そのものは10年遅れ ていた訳ではないが、前提となるミノフスキー物理学の基礎的な技術の蓄積、政治的な後押しなど二次的 な要因を考えると、10年という数字はむしろ甘いものであったと言えよう。それでも大戦末期にはジオン とほぼ対等のMS戦を行うことができたのは、連邦のMS開発が実に特徴ある形で進められたからである。

連邦のMS開発の流れは、ジオンのそれとは大きく異なっている。ジオンが初めから量産を前提とした機種 を開発し、それを中心にヴァリエーションを広げていったのに対し、連邦ではあらゆる最新技術を全て盛 り込んだ超々高級機を最初に開発し、それを簡略化した量産機を生産していった。これは開発だけでな く、運用方法やパイロットの育成などあらゆる問題に対処する時間がなかった連邦において、最も対時間 効果の高い方法であったと思われる。

従って連邦のMSはガンダムタイプに代表される試作型高級機と、その普及版と言える量産型簡略機に大き く分けられる。ここではこの2つのカテゴリーに加え、支援兵器という項目を付け加えている。これは機動 兵器というよりむしろ通常兵器の延長線上に属するものであるが、時間のなかった連邦が少ない機動兵器 を有効に運用するため、様々な支援兵器が開発された。これは一年戦争における連邦の機動兵器運用にお いて欠かせない存在であるため、ここで扱うこととする。

ここでは以上の3つのカテゴリーに沿って各機種について述べていきたい。連邦においては、ジオンほど形 式番号に意味のないものがしばしば存在するが、それでもジオン同様、番号順に並べている。なお、地球 連邦軍の開発した機動兵器につけられる形式番号の法則は以下の通りである。

1.全ての機種・機体に固有の番号があるとは限らない。従って同一の番号を持ちながら、明らかに異な る用途や構造を持つ機種が存在する。

2.MSの場合、特殊なものを除いて頭に連邦軍を表わすRがつく。その後、試作機はX、量産機はその機種 の愛称を簡略化した2文字、あるいは頭文字がつく。続いてその機種の番号がつけられる。多くは開発・計 画された年代を意味するが、例外も多いため法則と定義づけられる程ではない。

例:RX-77、RAG-79、RGC-80

3.同一機種の改良機・発展機にはその後ろにアルファベット1文字か2文字、若しくは数字がつけられ る。

例:RGM-79L、RGM-79SP、RX-78-2

4.同一機種に追加装備を施したものを別機種として区別する場合、その装備の特徴を示すアルファベッ ト2文字の後に元の機種の形式番号の数字だけをつける。

例:FA-78-2


試作型モビルスーツ

量産型モビルスーツ

支援兵器


ジオン公国軍 宇宙 地上 水陸 MA NT
地球連邦軍 試作 量産 支援
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