デジカメ写真館


30階からの眺め〜幾寅 (10/15 その壱)


時40分、ぱっちり目が覚めた。曇ってはいるがガラス窓の明るさのためか、すっきりとした気分で起きることができた。家ではなかなか起きられないのは寝室が西向きで朝日が入らないせいなのか?寝室をかえれば今日のように起きられるのかもしれないが、どの部屋も西向きだから仕方無い。昨日は夜だったのではっきりわからなかったホテルの全貌が明らかになった。高層の塔が2つ、並んでいる。あれに似ているな、都庁の造りに。暫くしておーしまさんが目を覚ました。先に起きている私に驚いている様子。今日に限ったことではないが、ホテルとか旅館とか旅先では私は眠りが浅いらしい。先日までの仕事の旅公演でもそうだった。


家製の売り文句にひかれて、洋食バイキングのレストランで朝食。ここは朝食をとるレストランを選べるシステムだ。どれもバイキングだからたいして変りはないかもしれないが。案内に”自慢の”とあるだけあってパンは美味しかった。特に気に入ったのはアップルパイ。サラダ、ヨーグルト、牛乳、コーヒーかなりお腹いっぱい。空は鈍よりしていて暗く、よく見るとゴミのように舞う白いものが。そう雪だ。天気予報どおり、昨日にも増して寒くなりそう。ぶるっ。
が立ち往生している。なぜだろう?理由はキタキツネ。今日は1匹どころか3匹もいて、車道を陣取っているのだ。車がとまると恐れもせず近づいてくる。前の車はカメラを取り出して撮影している。私も慌ててデジカメを用意、シャッターをきろうとすると窓にひょいっとキタキツネのどアップ!予期せぬ出来事にシャッターを押し損ねてしまった。餌乞いしているみたい。でもお菓子しかない。きっと観光客にそういう物を貰っているだろうから食べるだろうけれど、よくないよね、だから我慢してね。”まさか、車の前にいないだろうなぁ”とおーしまさん、恐る恐る車を動かそうとすると”あー!車のまんまえにいるぅ!”危ない危ない。


道をぬけると、町らしいところに出た。地図によると幾寅という駅があるようだ。踏切がみえるから、近くにあるはず。おーしまさんは線路傍に車をとめてレールの撮影をはじめた。すぐ先にホームが見え、かなり沢山の人がたむろしている。電車を待っているのかなぁ。駅へいってみると理由がはっきりとわかった。さっきいた人々は観光客で、ここは高倉健主演の”鉄道員(ぽっぽや)”のロケに使われた駅だったのだ。
ょうど電車がはいってきた。根室本線、帯広、釧路を通って根室へ続いている。駅の名前は幾寅。なのに駅舎には大きく”幌舞”とある。駅舎を正面からみて右上の端のほうに小さく”JR幾寅駅”のプレートが。架空の駅名にそのほとんどを占領されて細々と本名を主張しているいじらしさ。そのうちこの架空の幌舞に改名してしまうのではないだろうか?駅のすぐ脇には新しめの民家がならび、ベランダに吊された大量の大根がタクアンに変化するのを待っていた。


ープンセットが駅前を占領し、けんさんもお奨め!いもだんご100円と貼紙されたプレハブの売店が並ぶ。小腹が空いたと、そのいもだんごを買ってみた。じゃがいもの味のする大根もちという感じ。食感はそっくりだから製法は同じなのかもしれない。駅舎より立派な記念館も隣接され、すっかりぽっぽやの町になっていた。ここへはそれを知っていてやってきたわけではなかったので、少し得した気分。だけど、”鉄道員(ぽっぽや)”観てないんだよね。たぶん一生観ることはないと思う。だって、見るのも嫌な奴が出ているんだもん。でもね〜こうやってロケ地に来たとなると、観てみたくなってしまうもの。どうしよう、奴の顔にモザイクいれてセリフにピーをかぶせたバージョンだったら喜んでみるんだけどなぁ。そのように編集してくれない?おーしまさん。

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