MS-09H ドワッジ改

(DWADGE CUSTOM)


機体の推進機としてハイブリットエンジンを搭載し、移動時には効率の良い熱核ジェット、戦闘時には加速力の高い熱核ロケットを使用することで航続距離と陸戦能力を両立させたMS-09Gは、ドムの改良計画の終着点として「ドワッジ」の呼称を与えられた。ドワッジが生産されたのは大戦末期のことであったが、ごく少数ながらエースパイロット用のカスタム機種が存在し、これらはH型と呼ばれている。

H型は熟練パイロット高い要求に応えるため、試作されたカスタム機である。従って量産はされておらず、試作機の総数もわかっていない。使用例としてアフリカ戦線のデザート・ロンメル少佐の機体が有名だが、記録にあるのは第1次アクシズ戦役に呼応して挙兵した際のものであり、一年戦争当時の状態はわかっていない。ここでは仕方ないので、これから当時のH型を類推して見たい。

ロンメル機の最大の特徴は両肩に2基ずつ、計4機装備した大型の熱核ロケットブースターである。これによって肩関節の可動は大きな制限を受けるが、戦闘時の爆発的な加速力は他の追随を許さない。肩ブロックは固定されており、前方へ開くフェンダーによって腕部の可動を確保している。追加したブースターだけでなく本体の推力も強化されており、それに伴ってスカート前部に放熱ブロックを追加するなど、全体の冷却機能も強化されていた。

ロンメル機は0088年当時、大型のビームカノンを使用しているが、これは戦後追加されたものであろう。ロンメル率いる部隊はグラナダ協定以降も徹底抗戦を主張し、永くゲリラ活動を続けた。その間も連邦の施設を襲撃し、資材や装備などを強奪・使用しているため、こうした新装備は他にも見受けられる。ビームカノン使用にあたっては、機体のジェネレーターごと換装したとも考えられよう。胸部の拡散ビーム砲もロンメル機では強化されているが、当時からのものかどうかは不明である。

一年戦争当時のH型の武装は、通常のドムと変わらないものであった。前述の胸部固定式拡散ビーム砲にジャイアント・バスーカ、ヒートサーベル、その他ザク・グフ用の武装である。またドワッジがベースとなっているため、頭部に30mm2連装バルカン砲を2門装備していた。


MS-09H ドワッジ改

全 高 19.3m 自重量 43.5t 総出力 1440kw センサー

有効半径

8800m
頭頂高 18.2m 総重量 87.4t 総推力 122.7t


地上用モビルスーツに戻る

MS-09Gに戻る