MS-07H-4 グフ飛行試験型改

(GOUF FLYING TEST TYPE CUSTOM)


MS-07HによるMS飛行計画は、予想通り推力と燃料搭載量の不足に悩まされた。推進剤に関しては、使い捨て式のプロペラントタンクを追加したMS-07H-2が造られたが、それでも解決できたとは言い難かった。計画はそのままテスト期間終了を迎え、改めて開発計画の見直しが行われる。検討の結果、軍部は規模を縮小することで研究の続行を認めた。飛行計画が実用に向かないことはもはやはっきりしていたが、純粋な研究目的から一定の意義が認められたのである。

4機のMS-07Hのうち、アリゾナに残されたのはYMS-07Aから改修された3号機と、YMS-07Bから改修された4号機である。特に4号機は本部からの指示に従い、大改修が施された。まず両脚部の熱核ジェットエンジンはより出力の高いものへと換装されている。また整流効果高めるため、腰部に75°可動のベントラルフィンを設けたほか、両肩のスパイクアーマーも有翼型に形状変更されている。またフレアや各フィンも大型化しており、外見上の大きな特徴となっている。テスト開始までに施されたグレー主体の制空迷彩は、MSらしからぬ印象を与えていた。

この機体はMS-07H-4の名称がつけられ、性能向上型としてテストが続けられた。H-4は滞空時間・運動性能ともに良好な結果を示したが、換装したエンジンの調整は相当難航したようである。テスト中もしばしばトラブルに見舞われており、だましだましの運転が続けられた。そしてテスト10日目、機体はテストパイロットのフランク・ベルナール少尉を乗せたまま空中爆発を起こし、永遠に失われた。

無謀と思われたMS単体での飛行計画は、文字通り失敗に終わった。その後地上用MSの移動能力向上には、代案として推力を強化した要爆撃機ド・ダイYSによるMSの輸送計画が実行され、一定の成果を挙げている。サブ・フライト・システムと呼ばれたこの運用は、第3世代MSが登場するグリプス戦役以降も使われ続けるほど有効なものであった。一方MS-07Hは残された3号機を使って、脚部の熱核ジェットによるホバー走行の実験を行っている。この成果はMS-09ドムに活かされ、見事に昇華されたと言えよう。

MS-07H-4の武装はMS-07Hに準じ、両腕に5連装75mmマシンガンを装備しているのみである。それぞれ上腕部には大型マガジンが追加されており、装弾数にはいくらかの余裕があったと思われる。


MS-07H-4 グフ飛行試験型改

全 高 ?m 自重量 ?t 総出力 ?kw 地上速度 ?km/h
頭頂高 ?m 総重量 ?t 総推力 ?t


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