MSM-03-1 プロトタイプゴッグ

(PROTOTYPE GOG)


            
MSM-02のデータを元に、ツィマッド社では本格的な実戦型水陸両用MSの開発が進められた。そして完成した試作1号機がこのプロトタイプゴッグである。この設計では陸上での運動性よりも水中での機動力を優先させており、これはどっちつかずに終わったMSM-02の反省を踏まえている。水中での大きな抵抗となる両肩ミサイルランチャーと両腕のバルカン砲は廃止され、全体のフォルムもより丸みを帯びたものとなっている。

武装には特筆すべき新装備が二つある。一つ目は両手のアイアンネイルで、主に近接戦闘用として装備されたものである。MS自体が持つ汎用性は著しく低下することとなったが、水陸両用MSの運用上大きな問題はなく、むしろ水陸両用MSの標準的な装備として以後のMSにも積極的に継承されていった。

二つ目は腹部に固定された2門のメガ粒子砲である。一般に水陸両用MSはバラストタンク内に取り込んだ水を冷却水として使用できるため、大出力のジェネレーターを装備している。その大出力を利用したもので、ビーム兵器に戦艦クラスの大規模な施設を必要とする当時としては画期的な装備であった。

大戦後期にはエネレギーCAP技術が完成し、ビーム兵器を標準装備したMSも登場するようになったが、両軍を通じてビーム兵器を装備したMSはもちろんこのゴッグが最初である。もっともエネルギーCAP技術が導入されていないため、威力はザクバズーカ程度しかなかった。

ブラックとグリーンで塗装されたテスト機は、北米キャリフォルニア基地でテストされ、量産機であるMSM-03へと受け継がれた。量産機はこの試作機はアイアンネイルを始めとして全体の装備や装甲を整理したものであり、本質的な相違はない。武装は前述の固定ビーム砲の他に、オプションとして両腕に2連装魚雷ポッドを装着できた。
            
               
MSM-03-1 プロトタイプゴッグ

全 高 ? m 自重量 58.4t 総出力 2690kw センサー

有効半径

3200m
頭頂高 17.5m 総重量 79.6t 総推力 43.0t


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