●HEIWAクラシックコンサート
2000年6月17日(土)18:00/東京オペラシティコンサートホール
(演奏)
秋山和慶(指揮)
堤 剛(チェロ)
東京交響楽団
大谷康子(コンサートマスター)
(プログラム)
ハイドン :交響曲第94番ト長調Hob.T−94「驚愕」
シューマン :チェロ協奏曲イ短調作品129
モーツァルト:交響曲第40番ト短調K.550
(アンコール)
ハイドン :弦楽四重奏曲第17番よりセレナード
東響のオペラシティ・シリーズは今回から更新されるが、席を1階後方から2階
正面左側に替えた。驚いたことに響きが全然ちがう。1階後方ではややピーキン
グを伴った歪っぽい響きであったが、2階だと実に柔らかく奥のふかい響きがす
る。ハイドンではアンサンブルに生彩があり、古典のシンメトリーを感じる演奏。
秋山の端正な指揮ぶりも見事で、先週のサントリー定期同様、東響のアンサンブ
ルが素晴らしい。音響の良さもあいまって実に気持ちが良い演奏であった。
シューマンのチェロを演奏するのは堤剛。彼のチェロは先週のゴルトベルクでも
見事であったが、今日のソロではロマン情緒ゆたかに凄くうまかった。バックの
オーケストラと溶け合う響き、溶け合った状態からくっきりと浮かび上がるソロ。
まさに全てが絶妙のアンサンブル。
最後のモーツァルトもやや大編成ぎみではあるが、軽快で情熱的なモーツァルト
が聴けた。この曲、ムーティ&ウィーンフィル来日公演で聞いて以来の久しぶり。
やはりモーツァルトは素敵だ。ハイドンのセレナードがアンコールに。ここでは
低弦のピチカートに聞き惚れた。