●コレギウム・ヴォカーレ日本公演
2000年6月1日(木)19:00/サントリーホール
(プログラム)
J.S.バッハ :ミサ曲 ロ短調 BWV232
(演奏)
指揮 :フィリプ・ヘレヴェヘ
ソプラノ :デボラ・ヨーク
アルト :インゲボルグ・ダンツ
テノール :マーク・パドモア
バス :ペーター・コーイ
管弦楽と合唱:コレギウム・ヴォカーレ
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今回のバッハ3演目セットのうち最も期待するのがロ短調ミサ。この曲は受難曲以上にCDで愛聴しており、ヘレヴェヘはもちろんのことリフキンとエリクソンがお気に入り。そんな訳でヘレヴェヘ&コレギウム・ヴォカーレのライブでロ短調ミサが聴けるのは何よりの喜び。
期待通り素晴らしすぎる合唱と管弦楽による演奏は大変良かった。ちなみに今日で今年聴くバッハ・プログラムの15本目となるが、その中で最高の出来映えであったと言える。もっともバッハ作品の中でとりわけロ短調ミサへの思い入れを差引いたとしても、この最高傑作に生命を吹き込むヘレヴェヘには感嘆するばかり。
合唱はさすがに瑞々しさ、若々しさ、荘厳さ、祈りといったあらゆる要素を巧みに表現し、合唱のパートからとても豊かな情報を描き出すのには驚いた。受難曲とは違ってドラマ性が無いためか、音楽性が勝るものの、ミサを聴く喜びを隅々まで楽しませてくれた。
全27曲のひとつひとつが宝石のように輝いており、2時間のミサを連続して集中させてくれたレヴェヘ&コレギウム・ヴォカーレには感謝するばかりだ。一昨日のマタイはBS放送されるが、正直なところ今日のミサ曲が放送されれば良かったのにと実感した次第。それほど今日の方が感動した。