●アルバン・ベルク四重奏団
 2000年5月23日(火)19:00/紀尾井ホール
(演奏)
 ギュンター・ピヒラー(第1ヴァイオリン)
 ゲルハルト・シュルツ(第2ヴァイオリン)
 トマス・カクシュカ(ヴィオラ)
 ヴァレンティン・エルベン(チェロ)
(プログラム)
 モーツァルト  :弦楽四重奏曲第20番ニ長調K.499「ホフマイスター」
 バルトーク   :弦楽四重奏曲第3番
 −休憩−
 ベートーヴェン :弦楽四重奏曲第10番変ホ長調op.74「ハープ」
(アンコール)
 ハイドン    :弦楽四重奏曲第75番第2楽章
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いつもながら迫力あるカルテットを聴かせてくれるアルバン・ベルクだが、今日はまた一味違う演奏が聞けた。アルバン・ベルクといえばモーツァルトでもかなり内容の濃い演奏となりそうなのであるが、今日のモーツァルトは緊張を解き放ったようなリラックスさを楽しむことが出来た。とはいえ、イタリア的な陽気一変という訳でもなく、ドイツ的な慎ましさも感じる。

やはりバルトークとなれば、アルバン・ベルクらしさがぐっと増して、まさに王者が姿を現したという感じ。たった15分ほどの曲がこれほど多彩に変化に富んだものであるかを改めて思い知らされた次第。アンサンブルの妙も素晴らしく、弦の充実といったものを十分に味わうことができた。

同様にベートーヴェンのハープ。これもリズムがとても軽やかで、モーツァルト、バルトークとも明らかに色合いの違いが分る演奏。もちろんベートーヴェンの迫力、熱気といったものも十分に表現され、さすがアルバン・ベルクと改めて実感させてくれた。


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