●ハンブルク北ドイツ放送交響楽団
2000年5月21日(日)19:00/サントリーホール
指揮:クリストフ・エッシェンバッハ
(プログラム)
シューマン :交響曲第3番 変ホ長調op.97「ライン」
−休憩−
ブラームス :交響曲第1番 ハ短調op.68
(アンコール)
ドヴォルザーク:スラヴ舞曲第3番
スメタナ :歌劇「売られた花嫁」よりポルカ
ブラームス :ハンガリー舞曲第1番
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ハンブルクには先々週に1日だけ滞在したが、NDRを聴くチャンスは無かった。今日、こうして聴いてみると実に良いオーケストラと感じる。響きもどこかドイツらしく、ややくすんだ木管の音色などはとても渋く感じられる。シューマンの3番も流れが自然で、エッシェンバッハのドライブが良く効いていた。ホルンやブラスも金属的ではななく、木質の響きを湛えているし、ラインの流れを想わせる躍動に心沸き立つものを感じた。
後半のブラームスはシューマン以上にしっかりとしたアンサンブルでエッシェンバッハ渾身の指揮が冴え渡ったという感じ。第1楽章も重厚すぎずに引き締まった緊張感が見事だし、終楽章のトランペット、フルートなども素晴らしい音楽性でもってシンフォニーを引き締める。いわゆるベートーヴェンの第九を意識した低弦のメロディも深い響きで、大いに謳い、そして徐々にクライマックスに向けて高揚する。すべてに渡って見とおしの良い演奏だった。
アンコールは一変して、豪快に響くオーケストラピース。特にスメタナのポルカが絶妙。そしてアンコールの最後はハンガリー舞曲。これほど深く響く弦合奏も滅多に聞けるものではなく、エッシェンバッハ&NDRの底力が爆発したようだ。