●イツァーク・パールマン/ヴァイオリン・リサイタル
2000年5月20日(土)19:00/サントリーホール
ピアノ:ロハン・デ・シルヴァ
(プログラム)
ヘンデル :ソナタ作品1−13
ブルッフ :ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調作品26
−休憩−
クライスラー :テンポ・ディ・メヌエット(プニャーニのスタイルによる)
シューマン :ロマンス イ長調作品94−2(クライスラー編曲)
ブラームス :ハンガリー舞曲第9番ホ短調(ヨアヒム編曲)
ブラームス :ハンガリー舞曲第1番ト短調(ヨアヒム編曲)
サラサーテ :マラゲーニャ(スペイン舞曲集作品21−1)
サラサーテ :ハバネラ(スペイン舞曲集作品21−1)
ドヴォルザーク:スラヴ舞曲第3番ト長調(クライスラー編曲)
ヴェニャフスキ:エチュード・カプリース第4番イ短調(クライスラー編曲)
(アンコール)
クライスラー :タルティーニのスタイルによるテーマとヴァリエーション
ドリーゴ :バレエワルツ
ホイペルガー :ミッド・ナイト・ベル
ラフマニノフ :オリエンタル・スケッチ
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このリサイタルのプログラムは何と2000円もする高価なもの。最も今日演奏される曲のほとんどが収録されたCDが付いているのだが。しかしウィーンやベルリンではプログラムは200〜500円くらいと安いのだが、日本は高すぎる。CDで抱き合わせで売るなどというのは音楽を商品化しすぎている。最もこれが日本流なのかも知れないが。それにこのプログラムは大きすぎる。先週のボチェッリ&ジョーの時もそうだが、これはとても不便、非合理極まりない。プログラムは内ポケットに入るサイズがベスト。
と最初に不平不満を言ってしまったが、演奏はいうまでもなく素晴らしかった。ヘンデルのソナタはヴァイオリンを学習する教材で有名だが、パールマンが演奏すると、この単純な曲が素晴らしく歌ってくれる。そしてブルッフのヴァイオリンコンチェルト。ピアノがオーケストラパートを演奏するといった珍しさであるが、これも面白い響きで、室内楽的アンサンブルとも取れるコンチェルトの魅力が楽しめた。後半は細切れの曲ながらもヴァイオリンの魅力をフルに楽しませてくれた。アンコールの時には演奏すべき楽譜がなかなか見つからずピアニストと一緒に相談している様が滑稽だったが、珍しい曲が幾つか演奏された。