●ARIAS
2000年5月13日(土)13:00/オーチャードホール
(出演)
アンドレア・ボチェッリ(テノール)
スミ・ジョー(ソプラノ)
リー・シーイ(ソプラノ)
チョン・ミュンフン(指揮)
新星日本交響楽団
(プログラム)
ヴェルディ :<運命の力>序曲
ヴェルディ :<アイーダ>よりロマンツァ「清きアイーダ」
ベッリーニ :<清教徒>より狂乱の場「あなたの優しい声が」
マスカーニ :アヴェ・マリア
プッチーニ :<ラ・ボエーム>より二重唱「愛らしい乙女よ」
プッチーニ :<蝶々夫人>アリア「ある晴れた日に」
プッチーニ :<蝶々夫人>二重唱「夜がふけて」
−休憩−
ロッシーニ :<セヴィリアの理髪師>序曲
ロッシーニ :<セヴィリアの理髪師>カヴァティーナ「今の歌声は」
ロッシーニ :<スターバト・マーテル>よりクーユス・アーニマ
ドニゼッティ :<ルチア>二重唱「父の眠る墓に」「そよ風にのって」
ヴェルディ :<リゴレット>アリア「慕わしい人の名は」
ヴェルディ :<リゴレット>女心の歌「風の中の羽根のように」
(アンコール)
シューベルト :アヴェ・マリア
ヴェルディ :<椿姫>乾杯の歌
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目が覚めてびっくり。昼の12時をまわっていた。ついに時差ボケが回復しないままドイツ時間に戻ってしまったようだ。ともかく今日のコンサートは13時開演なので、余り時間が無い。オーチャードへと急ぐ。
最初の「運命の力」序曲、ミュンフンはゆとりのあるサウンドでオーケストラをドライブする。弦からブラスにかけてのアンサンブルは結構良くて、8割程度の安全走行といった感じで、本命のアリアに入る。ボチェッリの「清きアイーダ」で大いに盛り上がった。
ボチェッリはBSで、その特徴ある歌声を聴いたことがあるが、ライブでも独特の歌いっぷりがストレートに響いてくる。時折、憂いを帯びた哀愁でジーンと感じる。ボータやクーラのような豪快さというよりも抒情的なアリアを得意とするのだろうか。今日のプログラムではアリアよりもアヴェ・マリアとかスターバト・マーテルなどの作品が歌われたのも興味深い。
これに対して、スミ・ジョーは華麗なオペラティックさを披露。特にベッリーニをはじめとしてロッシーニのアリアが素晴らしかった。前半にはシーイも登場し、ボチェッリとのボエームや蝶々夫人を。でも彼女の歌声は今一つ伸びが不足していたように思う。後半はまさにスミ・ジョーの素晴らしさが全開し、最後はボチェッリのリゴレットでフィナーレ。アンコールが2曲続くが、高いチケット代にしては満足度が少ない。もっとアリアを聴かせて欲しかった。