●新星日本交響楽団サンフォニック・コンサート
 2000年4月23日(日)14:30/東京芸術劇場
 オンドレイ・レナルト(指揮)
 ルビツァ・ヴァルギツォヴァ(ソプラノ)
 石田泰尚(コンサートマスター)
(プログラム)
 モーツァルト :歌劇「後宮からの誘拐」序曲
        :歌劇「後宮からの誘拐」〜私は愛していました
 ドニゼッティ :歌劇「ドン・パスクワーレ」序曲
 ドニゼッティ :歌劇「ランメルモールのルチア」〜あたりは沈黙に閉ざされ
 −休憩−
 グノー    :歌劇「ファウスト」〜バレエ音楽
 マイヤベーア :歌劇「ユグノー教徒」〜ご領主様方ご機嫌いかが
 ベッリーニ  :歌劇「ノルマ」序曲
 ベッリーニ  :歌劇「夢遊病の女」〜私にとって今日は何てすばらしい日
(アンコール)
 ドニゼッティ :歌劇「シャモニのリンダ」〜私の心の光
 アルディーティ:「口づけ」
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美貌と美声のソプラノ、ヴァルギツォヴァによるオペラアリアコンサートは予想とおり素晴らしい内容だった。彼女の美声はストレートに伸び、フォルティッシモでも全く崩れずれない。しかもしなやかさも湛えている。特にコロラトゥーラは絶品。ベッリーニのアリアでは本物の鶯かと聞き違えるほどの絶妙さ。プラハ、スロヴァキアを中心にヨーロッパでの活躍ば目覚しく、将来がとても楽しみなソプラノだ。前半はセクシーなチャイナドレス風、後半は真っ赤なドレスで、とてもチャーミングでもあった。

プログラムには序曲やバレエ音楽も織り交ぜられていて、レナルトと新星日響のマッチングの良さが冴えていた。最初のモーツァルト「後宮」序曲から威勢のいいトルコ音楽で盛り上がり、特にグノーの「ファウスト」バレエ音楽は圧倒的。音抜けの良さ、柔らかく豊穣な弦が特に素晴らしく、バッカナールのパーカッションとブラスのリズムはエキサイティングすらあった。まさに情景を目の当たりにする音楽。またノルマ序曲では、響きの上に響きを重ねるという立体的なアンサンブルにも驚かされた。さすが歌劇場の指揮者レナルトといったところであった。


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