●東京交響楽団定期演奏会『後期ロマン派へのオマージュ』
2000年4月18日(火)19:00/サントリーホール
(演奏)
指揮=飯森範親
メゾ・ソプラノ=マルタ・ベニャチコヴァ
女声合唱=東響コーラス
児童合唱=横須賀芸術劇場合唱団少年少女合唱隊(指導=武田雅博)
コンサートマスター=大谷康子
(プログラム)
マーラー:交響曲第3番ニ短調
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3月末の東響定期はマーラー1番だった。今月も引続きマーラー。しかも3番という久しぶりの大曲となった。このところ4月はマタイ、仮面舞踏会、サロメと結構な大曲が続いているので、マーラー3番とはさすがに大変。と思ったが、第1楽章冒頭の目の覚めるようなホルンの響きに圧倒され、105分を目一杯楽しむことができた。
飯森の指揮は前回の幻想交響曲と同様に気持ち良いほどにオーケストラを鳴らすのが上手い。しかも複雑なスコアを明瞭にさばき、聴いていて飽きが来ない魅力を感じる。特に長い第1楽章の40分を緊張から解き放すことなくじっくり聴かせてくれたのは素晴らしい手腕。マルタ・ベニャチコヴァの歌は、独特なヴィブラートで澄み切ったリリシズムが素晴らしかった。終楽章はやや抑え気味に徐々に感動が湧き上がってくる音楽展開。とにかく飯森の指揮は何時も全力投球なので、聴くほうとしても期待が持てる。さて次回の定期ではウォルトンの「ベルシャザール」が楽しみ。