●R.シュトラウス『サロメ』
2000年4月16日(日)15:00/新国立劇場
スタフ
指揮 :若杉 弘
演出 :アウグスト・エヴァーディング
演出補 :ヘルムート・レーベンルガー
装置・衣装:イェルグ・ツィンマーマン
照明 :ヨハン・ダルヒンガー
キャスト
サロメ :緑川まり
ヘロデ :田口興輔
ヘロディアス:小山由美
ヨハナーン :小森輝彦
ナラボート :井ノ上了吏
ほか
管弦楽 :新星日本交響楽団
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昨年の東フィル・オペラコンチェルタンテ同様、今回も緑川まりの熱演は予想以上に素晴らしいものだった。特にヨハナーンの首以後の官能と壮絶さはぞくぞくした。オーケストラも熱演で、若杉の巧みな指揮捌きで比較的さっぱりとしたサロメに仕上がってしたし、舞台づくりにも一本筋が通った集中力が感じられた。舞台と演出はミュンヘンの借物であり、斬新さは感じられない。とはいえ巨大な井戸は象徴的で、ダイナミックな音楽とともに開閉する場面は威圧感と同時にサロメの世界に引きずり込む力を感じた。サロメは2時間足らずの短さだが音楽は結構密度が高かった。