●ホールオペラ/ヴェルディ『仮面舞踏会』
 2000年4月15日(土)18:30/サントリーホール
(キャスト)
 リッカルド   :ニール・シコフ
 レナート    :レナート・ブルゾン
 アメーリア   :ミシェル・クライダー
 ウルリーカ   :エレーナ・ザレンバ
 オスカル    :天羽明恵
 シルヴァーノ  :杉野正隆
 サムエル    :カルロ・ストゥリウリ
 トム      :清水宏樹
 判事      :上原正敏
 アメーリアの小姓:干川修一
 指揮      :ダニエル・オーレン
 合唱      :東京オペラシンガーズ/藤原歌劇団合唱部
 管弦楽     :東京交響楽団
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さすがにシコフ、ブルゾン、クライダー、ザレンバと豪華歌手が揃った仮面舞踏会は素晴らしかった。加えてオスカルの天羽も素晴らしく、ヴェルディのヴェルディらしいオペラを聞けて幸せ。先月末の東響定期と同じくユダヤ帽子を被ったオーレンの開放的な指揮が全開していたし、合唱も力強く、満足ゆくヴェルディに仕上がっていた。

舞台は大きく2段に分かれ、1段目ステージにオーケストラ、2段目が歌手達が演ずるステージ。P席は合唱が陣取り何時ものようなホールオペラの構成。前回の愛の妙薬では奇抜なセットが見物であったが、今回はややシンプルながらもストーリー展開を見るには十分なもの。特に第2幕からは歌手達がオーケストラの前で歌い、ぐっと距離が近づく。その分オペラにのめり込んでいく求心力が増していた。舞踏会の場面では小人数のバレエも登場するが、ドラマとちぐはぐになっていたのは残念。やはりこの仮面舞踏会は視覚よりも歌と音楽が売り物で、サントリーホールの音響できくヴェルディは最高。

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