●上海クァルテット日本公演
2000年4月11日(火)19:00/カザルスホール
(演奏)
ヴェイガン・リ(第1ヴァイオリン)
イウェン・ジャン(第2ヴァイオリン)
ホンガン・リ(ヴィオラ)
ジェイムス・ウィルソン(チェロ)
相沢吏江子(ピアノ)
(プログラム)
ハイドン :弦楽四重奏曲第72番ハ長調作品74−1
バルトーク :弦楽四重奏曲第4番
−休憩−
ドヴォルザーク:ピアノ五重奏曲イ長調作品81
(アンコール)
シューマン :ピアノ五重奏曲変ホ長調作品44より第4楽章
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今年はクァルテットを聴くチャンスが少ないように思う。クァルテットの演奏会は決して少なくは無いのだが、なかなか都合がつかない。今日はどうしても聴きたかったクァルテットなので、完売になる前にチケットをゲットしていた。が、当日券も出ていて、結構空席があった。
やはり久しぶりに聴くクァルテットは良い。湧き上がる音楽の泉とはこのことを言うのだろうか、とにかく瑞々しく美しい響きが忙しい一時のオアシスになってくれた。カザルスの音の良さ、やはりここはクァルテットが一番聴き栄えする。そして何よりも安定したテクニックと惹きつけて止まない音楽性豊かな上海クァルテット。まさに極上の音楽に夢心地のライブである。
ハイドンの調和の美しさは言うに及ばず、それにもまして音の充実感が見事。バルトークでは4本の弦楽器が縦横無尽に、しかも統一された一体感で呼応しあっていたし、ドヴォルザークのロマンも絶品。現在アメリカで活躍中の相沢嬢のピアノとのバランスも素晴らしかった。全体ではやはりドヴォルザークが最大の聞き物であった。4月はあとヘンシェルSQ、ルガーノSQを、そして5月はアルバン・ベルクSQを聴く。