●紀尾井シンフォニエッタ東京第24回定期演奏会
2000年4月8日(土)18:00/紀尾井ホール
ヴァイオリン:ラファエル・オレグ
指揮:尾高忠明
紀尾井シンフォニエッタ東京
(プログラム)
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調op.61
J.S.バッハ:無伴奏パルティータ第2番よりサラバンド
−休憩−
三善 晃 :室内楽管弦楽のための<詩鏡>(委嘱作品・世界初演)
プーランク :シンフォニエッタ
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今日は天気も良く、例年通り桜が満開になり紀尾井界隈はかなりの賑わい。それにしても今年の桜は綺麗だ。さて紀尾井シンフォニエッタは昨年12月以来ひさしぶり。今回はベートーヴェンのVn協奏曲が目当てで大分前からチケットをゲットしていた。
室内アンサンブルでベートーヴェンのコンチェルトを聞くのは始めて。さぞ透明で生き生きとしたサウンドが楽しめるのではと思っていたが、演奏はかなりオーソドックスでフルオーケストラ並の充実感があった。個人的にはもっと室内楽的なアンサンブルを期待していたのだが。オレグのヴァイオリンは流麗で終始惹きつける魅力がある。特に終楽章ではオーケストラとの一体感が見事だった。
今日のプログラムで最も素晴らしいと感じたのは三善氏の新曲<詩鏡>。これは生と死のコントラストを描いた作品で、音楽の途中に鏡があって前半の生と後半の死を映し出すとのこと。これら二つの要素を描写しつつ、共鳴しあうという何ともユニークな設定。BPOのゼーガースがティンパニを受持っていたが、彼の凄いテクニックが光っていた。ちなみに彼はDOBの「一夜のニーベルンクの指輪」でもティンパニを演奏していたから、BPO以外でもよく演奏しているのだろうか。
プーランクのシンフォニエッタはフランス風に彩られた美しい作品。室内アンサンブルの魅力を楽しむのに手頃な作品だ。次回はシュルツ&シェレンベルガーが出演する定期を聞く予定。