●アンサンブル・プロ・ムジカ・ポリフォニカ
J.S.バッハ『マタイ受難曲』BWV244
2000年4月1日(土)16:00/フィリアホール
(演奏)
指揮 :永井 宏
福音史家 :草原哲広(テノール)
イエス :星野 聡(バリトン)
ソプラノ :高橋薫子
アルト :小関奈々
テノール :川瀬幹比虎
バス :高井 治
ユダ :渡部智也
ペテロ、祭司1:折河宏治
ピラト :村上裕昭
ピラトの妻 :末吉朋子
大祭司 :杉村俊哉
祭司2 :安藤伸二
女中1 :藤平佳恵
女中2 :大柴朋子
合唱・管弦楽:アンサンブル・プロ・ムジカ・ポリフォニカ(PMP)
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今年四回目のマタイはPMPの演奏によるもの。このアンサンブルはマタイとメサイヤのために結成されるもので、毎年この時期にマタイを演奏しているとか。マタイは通算9回目とのことで、今日の演奏はとても質の良いものであった。フィリアホールは良く響くが、各パートも明瞭に聴くことができた。興味深いレイアウトとしてはオルガンが2台用意され、第1、第2オケに配置されたこと。
マタイを毎月のように聞いていると、そろそろ飽きが来そうな感じもしないでもないが、第1部はさすがに緩慢な感じがした。演奏は全般に穏やか。しかし第2部からは穏やかで淡々とした演奏に真実味が帯び、感動に至らしめる。まさにバッハの王道を感じた。このような虚飾のない謙虚な演奏がバッハには一番良いのかも知れない。ソリスト陣は前回のバッハ協会で歌った川瀬、小関が加わり、ソプラノの高橋、それにエヴァンゲリストの草原が素晴らしい出来映えだった。特に草原氏の常に語り掛けながら、受難曲に惹きこませる手腕は見事。オーケストラも満足できるレベルであり、特に平尾雅子のヴィオラ・ダ・ガンバは何時聴いても良いものだ。