●私は野の花〜フランス宮廷歌謡とイタリアバロック歌曲〜
 2000年3月25日(土)19:00/四谷・コア石響
(出演)
 波多野睦美(ソプラノ)
 つのだたかし(リュート)
(プログラム)
 ミニョン(作曲者不詳)
 ミゼリコルド(クレマン・ノン・パパ)
 甘い想いで(サンドラン)
 アントレV(R.バラール)
 僕の恋人は誰にでも(G.バタイユ)
 愛よ、つれない愛よ(S.カミュ)
 アントレX(R.バラール)
 もし人知れぬ病にやつれたら(J.チボー)
 頭が痛むとき(G.バタイユ)
 楽しもう 甘い安らぎを(M.ランベール)
 −休憩−
 私の涙(B.ストロッツィ)
 シチリアーナ(作曲者不詳16C)
 イタリアーナ(作曲者不詳16C)
 甘いため息(G.カッチーニ)
 翼を持つ愛の神よ(G.カッチーニ)
 トッカータY(G.カプスベルガー)
 私は野の花(C.モンテヴェルディ)
 急ぎ来れ人々よ(C.モンテヴェルディ)
(アンコール)
 ダウランドの歌曲
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先ほどのラ・フォンティーヌに引き続き今日はもう1本聴く。これも古楽であるが、波多野&つのだという有名なデュオで普段あまり聴かないフランスのシャンソンやイタリア・バロックの歌曲を楽しむ。リサイタル情報はダウランド&カンパニーのホームページhttp://www.linkclub.or.jp/~dowland/
で知ったが、会場は四谷・石響と始めて訪れる。ダウランドに電話で聞くとホームページ http://members.aol.com/wiay/ に案内図があるとのこと。四谷から徒歩7分でちょうど紀尾井ホールから見て迎賓館側に位置する。

住宅街の一角にある建物の地下が会場で、内部は何の変哲も無い四角い空間だ。とはいっても響きはとても良く、先ほどの松明堂ホールと同様に、優しく包み込まれる雰囲気がある。プログラムの前半はフランスもので、主として15〜16世紀のルネサンス時代のシャンソン。一曲ごとに波多野さんのトークがあり、詳しく解説された。解説も波多野さんの想いを込めたエッセイ風であり、音楽を聴くのが楽しくなる。それにしてもリュートとソプラノの取り合わせは心が和む。

後半はイタリアの16世紀からバロックにかけて時代が下り、音楽も起伏が大きくなってきた。途中、つのだ氏のリュートソロもあり、多彩なプログラミング。フィナーレのクライマックスはモンテヴェルディ「私は野の花」。これは今日のタイトルになるだけあって、素晴らしい歌だった。オペラ誕生に関ったというカッチーニの2曲も十分に聴き応えがある。それにしても波多野さんの歌は不思議な魅力に溢れていて、自然さが魅力だ。

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