●ラ・フォンティーヌ
2000年3月25日(土)15:00/松明堂音楽ホール
(演奏)
ラ・フォンティーヌ
江崎 浩(リコーダー、オーボエ、ファゴット)
三宮正満(オーボエ)
高群輝夫(チェロ)
水永牧子(チェンバロ)
(プログラム)
プラ兄弟 :2本のオーボエと通奏低音のための
トリオソナタ第2番ト長調
ルベル :2本のオーボエと通奏低音のための
トリオソナタ第5番ニ長調
スカルラッティ:ソナタ イ短調K.175
ニ短調K.141(チェンバロソロ)
テレマン :リコーダー、オーボエと通奏低音のための
トリオソナタホ短調
−休憩−
ブレシャネッロ:オーボエ、オブリガート・ファゴットと通奏低音のための
協奏曲変ロ長調
ジェミニアーニ:チェロと通奏低音のためのソナタ第2番ニ短調作品5
ヴィヴァルディ:リコーダー、オーボエと通奏低音のための
協奏曲ト短調RV.103
(アンコール)
プラ兄弟 :2本のオーボエと通奏低音のための
トリオソナタ第2番ト長調第3楽章
:タンブーラン
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今週はじめのヨハネ受難曲はオーケストラ・シンポシオンによる演奏だったが、今日のコンサートもそのオケメンバーによるバロック音楽だった。彼らはバッハ・コレギウム・ジャパン兼、アンサンブル・エクレジアおよび「蟹」で話題沸騰中のタブラトゥーラの若手メンバーでもある。2本の管にチェロとチェンバロというシンプルな編成で古楽をたっぷりと楽しませてくれた。
そもそもコンサートの情報は松明堂音楽堂のホームページ
http://www.linkclub.or.jp/~shomeido/ で知ったが、わずか80名限定ということで早めにチケットをゲット。ホールは新所沢駅で下車し、商店街を2分ほど歩いたところ。急勾配の階段を地下へ。受け付けの机があり、すぐ右手の扉を入るととても小さな室内ホールになっていた。
ここのチェンバロはホールのデザイン、色彩に合わせて彩色されているそうで、音もなかなか素晴らしい。室内ホールはややもすれば響きすぎて、刺激的な音がするが、このホールはライブでありながら、まろやかな響き。ちょうど超ハイファイオーディオで再生する臨場感にも似た雰囲気がある。やや難点は長椅子にクッションが敷かれているが、座り難くて疲れること。
今日の曲目で最も印象的だったのはプラ兄弟による2本のオーボエによるトリオソナタだった。左右のオーボエの掛け合いがとても粋で、スピード感も十分で実に爽快。このホールで聴くとパノラマを見ているような立体感を感ずる。ルベルのソナタは5楽章形式を取り、それぞれの楽想に変化があって、虜になってしまいそうな音楽だ。チェンバロの響きもここで聞くと華麗で、充実感があって、見事というほかない。スカルラッティのソナタは全く聞き惚れてしまった。演奏家によるトークもあり楽しいコンサートであった。