●東京都交響楽団「作曲家の肖像」ロベルト・シューマン
2000年3月19日(日)14:00/東京芸術劇場
指揮 :小泉和裕
チェロ:向山佳絵子
(プログラム)
マンフレッド序曲
チェロ協奏曲イ短調作品129
−休憩−
交響曲第1番変ロ長調作品38「春」
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シューマンの交響曲1番「春」は大好きで、今日はこれを聴くためにやって来た。座席は1階席のかなりオケに近い場所。そのため第1ヴァイオリンが強く聞えたが、管楽器の響きは天井から降ってくるようで、意外と立体的な臨場感があった。
マンフレッドから快調に飛ばした演奏で、ライン川の流れを思わせるようなロマン的な雰囲気も良く出ていた。シューマンのチェロ協奏曲は残念ながらあまり共感できなかった。向山のチェロは普段室内楽で良く聴くためか、オーケストラとの競演も室内楽的に聞えた為かも知れない。歌手に例えればもう少し声量が欲しいような感じもしたが、リリックな表現は良かった。
シューマンの交響曲1番は最初からゆったりと、音を溜めながら朗々とドライブしてゆく演奏。テンポはもう少し早めが好みだが、こういった堂々とした音楽運びもなかなか爽快。全体を通してかなり分析的に明快な感じを受けた。抑え所は全て抑えて、パワーを全開させるべきところは全開させ、確実な手応えを感じた。が、ストーリーの展開の見とおしが良すぎるのか、スリリングな緊張が欲しいようにも感じた。