●ペーテル・ヤブロンスキー/ピアノ・リサイタル
2000年2月26日(土)19:00/サントリーホール
(プログラム)
グリーグ :抒情小曲集より
アリエッタ/鐘の音/ノルウェー舞曲
/小妖精/スケルツォ/あなたのそばに
ショパン :マズルカ第13番イ短調op.17-4
マズルカ第34番ハ長調op.56-2
マズルカ第47番イ短調op.68-2
ポロネーズ第6番変イ長調《英雄ポロネーズ》op53
リスト :ハンガリー狂詩曲第3番変ロ長調
ハンガリー狂詩曲第15番イ短調《ラコッツィ行進曲》
−休憩−
ドビュッシー:前奏曲集第1集/第2集より
沈める寺/西風の見たもの/亜麻色の髪の乙女/
カノープ/花火
プロコフィエフ:ピアノソナタ第7番変ロ長調《戦争ソナタ》op83
(アンコール)
リムスキー・コルサコフ:「熊蜂は飛ぶ」(ジャズ風ヤブロンスキー編)
ヤブロンスキー :即興曲
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ヤブロンスキーというピアニストはかなり大人を感じさせるピアニストだ。演奏はデリカシーに富んでいるというよりも、安定したテクニックで音楽の息遣いが伝わってくるタイプ。表面的な派手さは抑えて、しかし良くきくと凄いテクニック。凄いところを凄いと感じさせずに、さりげなく極自然に、音楽の中身が聞えてくるような演奏だった。
前半のグリーグはピアニズムを全面に押し出すといったものでもなく、ごく平凡で地味な曲。これをしっとりと聴かせるが、ちょっと会場のノイズの方が音が大きくて気になった。ショパンの英雄ポロネーズも豪快さを強調しないで、実に詩的な音作りである。プロコフィエフではさすがに中身の濃いピアノとなり、2時間があっというまに過ぎた感じであった。