●ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
 2000年2月20日(日)14:00/横浜みなとみらいホール
 リッカルド・シャイー(指揮)
 シュテファン・ヴラダー(ピアノ)
(プログラム)
 モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番イ長調K.488
 シューベルト:即興曲変イ長調(アンコール)
 −休憩−
 ブルックナー:交響曲第7番ホ長調(ノヴァーク版)
-----------------------------------------------------------------------

シャイー率いるコンセルトヘボウ第2弾はモーツァルトとブルックナーのプログラム。それにしても昨日に引き続きブルックナーを2日連続で聞けるのは何とも素晴らしいこと。ちなみに2日連続のブルックナーは7月に東響9番と東フィル5番が控えている。それはさておき、コンセルトヘボウはさすがトップオーケストラの実力をまざまざと披露してくれた。

モーツァルトのコンチェルト。当初、ピリスが予定されていたがキャンセル。代わりのヴラダー、大変素晴らしい演奏を聞かせてくれた。そしてオーケストラの何とも表現しがたい、至福の響き。包み込むような弦のアンサンブルと艶やかな音色の管。いずれをとっても肌触りは最高である。この素晴らしいアンサンブルはブルックナー7番でも真価を発揮する。

一昨日のマーラー4番と同様にオーケストラはシャイーの棒に敏感に反応する。と同時に各パートの音色と響きの素晴らしさには息をも呑むほど魅力的。実に贅沢なブルックナーであることか。ブラスに至ってはその安定感といい、音抜けの良さは驚くほど。重厚なサウンドはドイツ的とは少し趣きを異にしており、むしろラテン的な明るさを感じる。まさに大伽藍でのオルガン・サウンドとはこのこ
とを言うのだろうか。

このように音楽的にも素晴らしいのであるが、何か物足りなさを感じる。やはり昨日のマーガのブル8番が強烈すぎた為だ。これには指揮者のアプローチが明らかに違うからだ。シャイーはあくまでも純音楽を追求するが、昨日のマーガの指揮には音楽を超越した絶対的な原理をも追求しているように思える。いずれにせよ、ブルックナーのスコアには我々を感動に至らしめる可能性がまだまだ残され
ている。これがブルックナーが何度でも演奏される原動力なのであろう。さて来月はスクロヴァチェフスキ−のブル9番だ!       

 RETURN