●ジェラ・キシュ/ピアノ・リサイタル「癒しの原点」
 2000年2月11日(金)19:00/東京オペラシティコンサートホール
(プログラム)
 シューマン :子供の情景Op.15
 リスト   :巡礼の年 第1年「スイス」より〜オーベルマンの谷
 リスト   :詩的で宗教的な調べより〜葬送曲
 −休憩−
 シューベルト:ソナタ変ロ長調D.960
(アンコール)
 浅川春男  :ピアノ・ソナタからトッカータ
 ショパン  :プレリュード第4番
 バルトーク :アレグロ・バルバロ
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ハンガリー出身のキシュはラーンキ、シフ、コチシュ、ヤンドウなどと同じくカドシャ門下とのこと。プログラムは渋い選曲で、特にリストに期待していた。結果としてはシューベルトが最高の出来映えで、この巨大なソナタを実に慈しみと豪快さでもって聞かせてくれた。このソナタは比較的地味ではあるが、微妙な音色の味わいと華麗で輝かしいピアニズムに唖然とするほどの演奏だった。

アンコールではキシュはまさにエンターテイナーに変貌。激しいリズムと強打が連発するトッカータはジャンルを超えた音楽で、そのエネルギーの爆発が驚異的。かと思えば、ピアニッシモで静寂そのもののショパン。そしてバルトークで爆発するといった有様で大いに盛り上がった。

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