●都民芸術フェスティバル・新日本フィルハーモニー交響楽団
2000年2月11日(金)14:00/東京芸術劇場
指揮:高関 健
(プログラム)
ブルックナー:交響曲第8番ハ短調「ハース版」
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久々に聞くブルックナー8番。とても自然な演奏。アンサンブルに粗が無くてまとまりも上場。とかくブル8番は演奏に力が入りすぎるものだが、焦らず、じっくりと料理する高関の指揮が見事だ。第一楽章、巨大な音塊が林立しながら押し寄せてくるところなぞは、山と山が独立峰の様相を感じたが、中間部からコーダーにかけての集中力は凄い。嶺々が集まって巨大な頂きを形成するようである。
ハース版ということで第3楽章が極めて長大。しかし長大さは微塵も感じさせずにどっぷりとブルックナーの世界に浸りきれた。終楽章の迫力も巨大さも十分で、全体を通しての集中力は素晴らしいもの。ブルックナーを聞く幸せの一時である。これで3500円は嬉しい限り。2月は新星日響のブル8番とコンセルトヘボウの7番を聞くので、ちょっとしたブルックナー月間となる。