●ホアキン・アチュカロ/ピアノ・リサイタル
2000年1月23日(日)19:00/カザルスホール
(プログラム)
J.S.バッハ:トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調BWV564
(ブゾーニ編曲)
ブラームス :3つの間奏曲 Op.117
ショパン :スケルツォ第3番 嬰ハ短調Op.39
:夜想曲 第20番 嬰ハ短調(遺作)
:ポロネーズ 第6番変イ長調「英雄」Op.53
−休憩−
ファリャ :夜想曲
グラナドス :組曲「ゴイェスカス」より「愛と死」
アルベニス :タンゴ
:組曲「イベリア」より「坂の多い町」
:ナバーラ
(アンコール)
スクリャービン:ノクターン
ショパン :ワルツ第14番(遺作)
:プレリュード第16番
J.S.バッハ:コラール「主よ人の望みの喜びよ」
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さきほどの圧倒的なワーグナーに引き続き、今日はまたまた素晴らしいコンサートに出会った。スペインの巨匠アチュカロを初めて聴いたが、ラトルなど名指揮者達が絶賛するピアニストらしい。その実体を今日ライブで聴けたのはラッキーであった。バッハ・ブゾーニ編曲のトッカータに始まり、ブラームス、ショパンと多彩な前半のプログラム。それぞれにタッチが異なるが、バッハで見せた味わ
い深い音楽。ピアノの音が独特であり、言葉では表現できない、いや耳では聞えない何かが音楽にある。ショパンもユニークであった。スケルツォの充実感、ポロネーズの迫力も素晴らしい。特に右足がペダリングしながら、左足がステージの床を打ち鳴らしていたのは印象的だ。後半はスペイン音楽で、組曲「ゴイェスカス」組曲「イベリア」などを素晴らしい感性で聴かせてくれた。アンコールも
沢山演奏してくれ、一曲、一曲には彼の感謝の念が込められ居る。まさに圧巻と同時に彼の人間性をも感じるとることが出来た。