●キーロフ・オペラ日本公演『さまよえるオランダ人』
2000年1月22日(土)18:00/東京文化会館
演出:テムール・チヘイゼ
指揮:ワレリー・ゲルギエフ
オランダ人:エフゲニー・ニキーティン
ダーラント:ゲンナジー・ベススベンコフ
ゼンタ :ラリッサ・ゴゴレフスカヤ
エリック :レオニード・リュバヴィン
マリー :オリガ・マールコワ=ミハイレンコ
舵手 :エフゲニー・ストラシコ
キーロフ歌劇場管弦楽団・合唱団
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今回のキーロフ・オペラ日本公演は待望のワーグナーということで大いに期待していたが、実際のところ余りワーグナーという実感が沸いて来なかった。ちょっと残念なのは歌手陣が弱くて、オランダ人、ダーラントと声量が基本的に不足している。それに天下のゲルギエフが指揮しているにも関らずオーケストラからかつての日本公演で見せた火花がほとばしる音楽が聴けなかったことが残念でならない。舞台では大きな歯車を組合せた船のイメージが面白いが、全体に動きが少ない舞台展開である。ややもすればコンサート形式かと錯覚するほどだ。舞台はとにかく、せめてゲルギエフがウィーンフィルで見せたような気迫と熱気ある演奏が欲しかった。ドレスデン版休憩なしであっさりと終わり一抹の物足りなさが拭い切れない。