●和の響〜千年紀・越天楽の旅
 2000年1月15日(土)18:00/サントリーホール
(プログラム) 
 雅楽『越天楽』(演奏:伶楽舎)
 八橋検校:筝組歌『菜蕗』(筝・歌:富山清隆/山登松和)
 −休憩−
 宮城道雄:越天楽変奏曲(筝:米川裕枝 指揮:梅田俊明 東京シティフィル)
 松平頼則:ピアノと管弦楽のための主題と変奏
        (ピアノ:高橋アキ 指揮:梅田俊明 東京シティフィル)
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ほぼ1000年前の越天楽の音楽をテーマに、この音楽がその後の日本の音楽に影響した軌跡を旅するといコンサートであった。越天楽での筝の響きはとても神秘的で笛や琴の響きとのアンサンブルもすこぶる荘厳。これが1000年ほど前に作曲されたというから、時代が代わっても人はみな同じなのだと改め感じ入る。

プログラム順に越天楽の響きが八橋、宮城、松平に受け継がれて行く様子が良く分った。特に後半のオーケストラと筝のコンチェルトは聞き物。この越天楽変奏曲ではオーケストラが和楽器の響きを醸し出していたのが印象的。フィナーレの松平作曲の「主題と変奏」は今日のクライマックスに相応しく高橋アキの力感溢れるピアニズムが特に素晴らしい。越天楽の主題がいろんな表情でもって雄弁に語りかけてきた。

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