2010/ 7/15〜 8/16 『YUZU LIVE CIRCUIT 2010 SUMMER FUTATABI』



全国10ヶ所・12公演が無事に終わった。あっという間の夏のツアーだった。
11年振りの二人だけのツアー。アリーナでは無く会館でのツアー。原点回帰だけど「新たなる進化した二人」がテーマだった。


今回のツアー「FUTATABI 」というタイトルから二人だけのライブを11年振りにどういうスタイルでやるのか?から始った。
当初、何も無い舞台で殆どノーマイクのライブプランで進んだ。路上時代の様な、、、。
それが実現出来れば素晴らしかったかもしれない。が、ほぼ1ヶ月前にシンプルなステージプランとアンコールでの生声にこだわるライブに切り替えた。
今でも何も無い舞台での「すっぴん」が現実的だったのかは僕の中では答えが出ない。その勇気があれば違ってたライブになっていたから。自問自答の繰り返しだ。

それでも会議の中で稲葉氏を含め出来るだけシンプルだけど舞台セットにはこだわり、音響に関してもマイクを使わない場面がある構成に軌道修正を確認していった。
場所は「ゆず」の原点の「横浜」。シンボル「街頭」は「ガス灯」のイメージ(実際の横浜のガス灯を再現)。「木」の桟橋的舞台セット。ケコミも木で「FUTATABI 」の書きロゴ。
舞台の周りは横浜の海の「青のカーペット」。次々にイメージの共有が出来上がっていった。悩む事が大きいほど突破口が見付かれば勢いが出る。
その段階で良いライブが出来ると確信した。開場中のBGMは今回稲葉氏が直々にイメージを考えて創ってくれた。開演のあの汽笛のイメージも〜


早い段階でリハーサルをした。僕の私用的南アフリカに行くのもあって、渡航前に「ゆず」の候補曲と流れを確認したかった。
二人だけのライブなので曲順も自由で良いのではと思ったが、構成はあった方が良いので話し合いながら確認をしていった。
「虹」「逢いたい」が本編最後にしたい。「サヨナラバス」で始り前半と後半の流れ。お客さんとの一体感。距離感。キメ曲の場所、、、。
候補曲を出しながら演奏しながら構成を決めていった。

何か面白いコーナーが無いかと模索してた。レディーガガを観に行った時に白井良明さんのギターギドラによく似た楽器を演奏しているのを観て、良明さんに問い合わせたりした。
その資料の中で良明さんと「明和電気」さんとの演奏を観て、たまたま悠仁が知り合いになって、明和電気さんから楽器を借りれる事になった。感激!
トントン君は本当に面白かった。人形もね。ツアー中はよく壊れる楽器でメンテが大変でローディチームは殆ど修理屋さんになってたけど。
因み最終日には人形のクビが「月曜日の週末」の最後のソロの終わりで飛ぶ筈だったんだけど見事失敗に終わった。佐賀で成功して東京に備えたんだけどな〜残念。
明和電気の皆さん、貴重な楽器をありがとうございました。今後も面白い楽器をぜひ「ゆず」と一緒に創って下さい。楽しみにしてます。


「虹」のイントロで悠仁がグロッケンを叩きたいと私物を提示してきた。本編最後の曲のイントロを演じる為に考えた案だった。
出来ればこれが発光してる様に見せたい。これが大変だった。イメージは出来たが台と照明器具をどう仕込むか。楽器の持ち出しもしないとならない。
基本イメージを伝えて渡航した。約2週間旅立った。その間、「ゆず」は上海だったり黒木さんはラスベガスだったりでメールが世界を飛び交っていた。

帰国後、次の日朝から戸田市文化会館を借りきってのリハーサルに入る。
舞台セットの「木」「ガス灯」がかなり良い出来上がりで喜ぶ。後半に考えた「白い幕」の飾り方使い方をイメージしながらリハーサルを重ねた。
ただ、グロッケンの台とそこからの照明が良く無い。台の足を作り直し、照明の灯体を色々変えるが難しい。結局、上(サス)からの照明を足す事にする。
もう少しだけ光りの強さがあればもっと綺麗になってただろう〜
ただ、どの会場でもこの場面は静寂が出来たので充分狙いは出来たのだと思う。

リハーサルを重ねて行くうちに「虹」はイメージがどんどん大きくなり、イントロの構成から曲中の間奏の見せ方まで作り込んでいった。
光りと陰の構成を意識して。無論、ギターの音色に関してもだけど〜

今回は「FUTATABI」だったので悠仁が昔のギターにこだわった。「タカミネ」と「Gibson J-160E」を弾きたいと。
本来は楽器が多いとなかなか使えないギターの音色だけど今回は二人だけなので演じる曲でguitarを決めた。
「良い音」という定義では無く「曲」に合った音を目指した。岩ちゃんのguitar3本の中の1本は半音下げたチューニングで音作りにこだわりを持って演奏した。

「夏色」で悠仁が吹いていたブブゼラは僕のお土産。南アフリカで相当練習してきたけど悠仁は最初から吹けて驚いた。ほら貝を吹くのと同じだとかで納得。
「栄光の架橋」で弾いていた「Gibson Dove」も僕が「鳩」ならとリハーサルに持っていったら使う事になった。因にリハーサルからツアー中ずっと売ってくれと言われてて
最終日に「ご購入は?」の問いに「いや結構です」キッパリ。アイツめ!!


最終日の新曲サプライズは相当疲れた。舞台監督の田中公一の案で割り幕の後ろの大転換。本編中に使用してた舞台面にあった照明器具をどけてバンド台をセッティング。
「慈愛への旅路」1曲をツアーファイナルで届けたいという「ゆず」の願いを込めてのサプライズ構成だった。「シュビドゥバー」と共に「FUTATABI」が無事に終わり
本来ならホッとする時だからこそのサプライズ構成。出来ると信じてたが無事に終る事ばかりを考えてた。上手く伝えられて良かったと思う。蔦谷好位置氏も来てて喜んでくれてた。
何事も無事に終るまでは大変な訳で、、。さすがに最終日は疲れた。因に今回は搬入して仕込みからバラシ(片付け)まで殆ど参加しました。当たり前だけど大事で楽しかった!!


今回は少数でのツアーだったのでバス移動とかもあってスタッフとも話せた。
富山では全スタッフで盛り上がってたところに「ゆず」が来て大盛り上がりした。最後は記憶無くなったけど〜
やはり「ゆず」とスタッフが一緒に行動したりするとその距離感が近くなる。凄く大事な時間だと思った。地方の美味しい食べ物とお酒は今回出会えたな〜
また、宮崎では地方での最後という事で打ち上げをやっていた時に突然「ボーリング大会」が宣言された。あれは面白かった!
ボーリングなんて10年以上やってなかったし、真夜中に総勢何十人での打ち上げでのボーリングなんて、、。まぁ良く考えたら飲んでたかったよな〜美味しい焼酎ばかりだった。
まぁ良いツアーだったと振り返ると思える数々。ツアースタッフに感謝!!

鳥取砂丘にライブ後に行って流れ星を3つみたんだ。久し振りの流れ星。願い事言えなかったけど、、。あれも思い出だ。


ツアー中に多くの方々から現場でメールで声援と激励メールを頂きました。本当に感謝します。ありがとうございました。これからも宜しくお願い致します。
皆で頑張ったツアーでした。「ゆず」に関わる全ての人々に感謝です。ありがとうございました。またあいましょう!

そしてまだまだ僕らの旅は続きます。次は来春です。


                                     2010年8月17日午後19時。自宅にて