なぜ削除するべきでないか?

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「この発言が不適当だったら削除してください」という書き込みが大嫌いだ。そういえば何でも許されると思ってるのか? 自分の発言が適当かそうでないか、自分で判断できんのか? できんやつが発言するな。黙ってろ。自分の発言の責任くらい、自分でとろうよ。少なくとも、とろうという努力はしようよ。気概はみせようよ。

「もし問題があったら削除してください。問題がなかったら削除しないでください」なんて、まるごと全部他人にゲタを預けるのはやめよう。それじゃバカだよ。判断ができないというのは、保護者が必要なクソガキかボケ老人かバカのどれかだよ。で、バカがなに発言したってしょうがないから、もうなにも言うな。

じゃあなにか? 「問題があったら削除してください」とさえ書けば、うんこだのチンコだのマンコだの書いてもいいのか? 「死ね死ねこのクソガキ、てめーなんかこの掲示板から出てけ、二度と来るなボケッ!」とか書いてもいいのか? その後で「問題があったら削除してください(^^)」とさえ書いておけば。

ネット上の掲示板というのは、友達とどっかで話しているのとは違うのだ。理論的には世界中のどこからでも見れる、ワールドワイドウェブなのだ。あなたの気軽なひとことは、世界中に向けて発進され、どこでどんな人が読んでいるのかわからないのである。

政治家でも芸能人でも有名人でもないあなたのひとことが、世界中というのは大げさだけれども、かなり広くの人々に伝わってしまう。伝えることができてしまう。それはひとつの「権力」である。

本来、そんなことは不可能なことなんである。タダの一個人がそんな強い影響力を持つことは、異常な事態なのである。それが可能になったのは、パソコンの普及と電話線というインフラ設備のおかげである。我々はテクノロジーのおかげで「ちょっとした権力」を手に入れているのである。

だが、その「権力」を使うということについて、あまりに無自覚な人が多い。多くの問題は、こっから来ているのだと思う。ほんの少しでも「権力」を手にした以上、それを使う人には「責任が求められる」はずである。公開された掲示板というのは、不特定多数が閲覧する「公の場」なのだから、そこでは当然、責任を伴った発言しか許されないと思うのだ。

だから掲示板上で、なにか問題が起こった時、それに対してお互いが誠心誠意対応するのは、せめてもの義務だとも思う。だからせめて、必ず解決するというのは難しいかもしれないが、せめて「解決できるように努力する」というのは、当然求められることではないだろうか。

削除というのは、こうした「誠心誠意」と全く対極にある。なかったことにする。排除する。臭いものに蓋をする。それではなんの解決も見られない。前に進まない。まして「管理者」などとオオゲサな肩書きを名乗る以上、キチンと「管理」していただきたいものである。

自分に都合の悪いことを排除して、なかったことにするなんてのは論外だ。そんなのは管理じゃねえ。気に食わないオモチャを叩きつけて壊す、癇癪持ちのガキと一緒だ。これはもちろん管理者に限らず、参加している発言者だって同じなんだけどね。

例えば人に意見する時は、メールアドレスくらい明記するとかさあ。そんな最低限度の責任や義務を果たせないヤツが、言いたいことだけ言ってみんなに聞いてもらおうというのは、ムシがよすぎると思う。あまりにも都合がよすぎると思う。

もちろん「絶対に削除するな」とは言わない。世の中どうしても、すれ違わざるを得ない状況というのはある。しかしそれでも、削除は最終手段だと思う。できる限り、削除という最悪の事態を避けるべきだと思う。そのように努力するべきだと思う。

俺は削除がキライな訳じゃない。「安易な削除」がキライなんである。


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