5・31総決起大会活動報告書

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銀座本隊報告書 池袋別働隊報告書

飛び込み営業 鈴木による銀座本隊報告書別バージョン


 

(1)

その日、銀座の街ははただならぬ空気に包まれた。1998年5月31日午後1時、山野楽器前。黒のスーツに黒ネクタイ、黒のソフト帽にサングラス。全身黒づくめの怪しげな男女がゾロゾロと集い、へコヘコと頭を下げあうさまは、周囲の目を引くには十分すぎるほど異様なものであった。通りすがりの陽気な白人は「Hey! Blues Brothers! You are Blues Brothers!?」と声をかけるが、彼らは引きつった笑いを浮かべ、あさっての方を向いてしらんぷりするばかりである。

(2)

ほとんどの善良な市民は知る由もなかったが、阻止委員会史上初にして最大の作戦はこうして始まった。集まった工作員は書記長を含む6名、いずれ劣らぬ強者ばかりである。彼らはその奇抜な外見を恥じることもなく、有楽町マリオンまでデモ行進。グラサンのおかげで気分的に最強モード入っているのでカンケーないが、それでも行き交う人々の視線が痛い。代表者らしき背の高い男はブツブツとつぶやく。

「これは喪服だ。ジョン・ベルーシを、キャンディやキャロウェイを、ジョン・ランディスの才能を、エイクロイドのキャリアを、そして何よりブルース・ブラザーズの魂を弔う喪服なのだ。我々は今日、つつしんで彼らの冥福を祈りに来た。これは葬式だ。俺は喪服だ。断じて仮装行列なんかじゃない」。その姿は「バカなことをしてしまった」という後悔を必死で打ち消すかのようではあったが、いずれにせよ鬼気迫るものではあった。

 

(3) (4)

一行は開演20分前くらいに現地到着、生意気にも行列ができていた。係員が大声で誘導する中、大胆不敵にも記念撮影を敢行。その後シュプレッヒコールを挙げ、おとなしく非常階段に並ぶ。この場所にこのいでたちの集団というのは実に目立つ。その恥ずかしさを打ち消すかのように、全員がやけに陽気にしゃべりまくる。やがて入場、それほど早い順番で入ったわけでもないのだが、それでも6人全員が1個所に座れるほどに空いている。客の入りは7〜8割といったところか。ま、そんなもんだろうな。

すでに前日、予習のために観てきたというものも若干名いたが、それでもおとなしく映画を鑑賞。「腕時計が壊れた」や「ボブの田舎屋」など前作を踏襲したギャグには劇場のあちこちから笑いが起こる。前作のファンは思ったよりも多かったようだ。映画そのものについてはここでは触れないが、とにかくケツが痛かった。つまんない割には長ぇよ、コレ。

(5)

映画終了後、全員が座席にソフト帽を置き、死んでしまったブルース・ブラザーズに心よりの哀悼の意を示す。さようなら、僕らのブルース・ブラザーズ。ありがとう、僕らのブルース・ブラザーズ。そしてほんとうにほんとうにさようなら、ジョン・ランディス。穏やかな悲しみと煮えたぎる怒りを各々の心に秘め、一行は劇場を後にしたのであった。

その後、大胆不敵にもあの格好のまま電車に乗り、反省会を行うため上野へと移動。ここでもおばさんの集団に奇異の目で見られたりするがもう感覚がマヒしているので誰も何とも感じない。上野〜御徒町間を散々うろついた挙げ句、テキトーな居酒屋へ。

「お客さん達はアレですか、ブルースブラザーズなんですか?」などとのたまう店員にもめげず、本日の反省と次回の計画立案を進めたわけだが、別にその辺はもうどうでもいいや。その場にいなかった人が見ても面白くも何ともないし、いた人に報告する必要もないしな。書記長はその後、渋谷でバーチャ修行して帰ったとさ。めでたしめでたし。

てな訳で、こういうバカバカしい遊びにつきあってくれた全ての人に感謝しつつ、以上、報告終わり!!


※画像について

(1)おバカさんたち。非合法秘密結社ゆえに、どれが誰かはナイショ。

(2)普段着で参加したため、カメラマン役を押し付けられた会員。卒業写真の日は休むな、という教訓。

(3)劇場前に立てられた等身大ポップ。そのむこうに「卓球温泉」が見てとれる。

(4)これがヒップホップだ。何がホンモノで何がニセモノなのか、あなた自身の目で確かめて欲しい。

(5)空の座席に並べられたソフト帽。抗議と哀悼の意を表わす。

 

画像を提供してくれたチクリ屋ことsiba-ken会員に深く深く感謝。

当日撮影された全ての画像を見たい方はこちらへどうぞ。

 

圧倒的に光量が足らなかった画像を見事に修正してくれた「草」とその配下の者にさらに深く感謝。

ほんと、貢献度の高さは特別功労賞もんだよな。


5・31総決起大会活動報告書・番外編


かくして書記長を中心とした「銀座本隊」は、見事に抗議行動を完遂せしめた訳だが、一方で書記長の密命を受けた「別働隊」は独自の作戦行動を展開していた。特に「地獄アニメ屋」を中心とする「池袋部隊」は獅子奮迅の活躍を見せ、本隊に劣らぬ戦果を挙げた。ここではその報告書を紹介したい。


日曜昼の統一阻止闘争、参加できずに申し訳ありませんでした。とりあえず池袋でのゲリラ闘争の結果を報告いたします。

1998年5月30日(公開初日)

18:30 服を着替え、会社より出撃。

19:30 池袋ビックカメラ本店にてレイバンをゲット。

20:00 友人の文具屋と合流。

20:15〜”ジョン万次郎”などをハシゴ。ビールと日本酒でブルースについて語りあう。ネクタイ汚損。

1998年5月31日(公開2日目)

00:15 携帯で都内に住む友人に電話をかけまくる。大塚で飲んでいた友人すら現れず。オルグ失敗。

02:15 夜の本屋と”白木屋"にて合流。例のコスチュームで「毎晩来るぞ・・・」の一言で店内パニックに。

02:45 シネマサンシャイン入場。初日なのにガラすき。BB2000をヘイトするあまり騒いでたら前の席の人に怒られた。 ごめんなさい。

03:45 本編上映開始。BB2000に抗議の意思を表明するため、開始後5分で爆睡。キネ旬で”必死にダイエットした”といっていたはずのエイクロイドのぽっちゃりした顔だけが記憶にとどまっている。

05:25 上映終了。からっぽの館内で目覚める。外では文具屋と夜の本屋が待っていた。

05:45 旧文芸坐前にて撮影会。この時、映画館にレイバンを忘れてきたことに気がつく。

06:30 JR池袋駅にて解散。BB2020上陸時に再結集することを誓い合う。

・・・と、こんな具合でした。その後帰宅して一眠り。準備を整えて銀座へ・・・ってとこで会社から呼び出しが(T-T)。因果なシゴトだとつくづく思います。ジゴクアニメ屋、一生の不覚。ちなみにレイバンは映画館の方で拾っておいてくれたようです(^_^;


うむ。ご苦労であった、地獄アニメ屋。本隊と合流できなかったのは誠に残念だが、いずれまた機会もあるだろう。いやあっちゃ困るんだけどね。とまれ、本当にご苦労であった。その無軌道な行動力と詳細なレポートに、心から敬意を払いたい。我々は彼らの功績と栄光を、終生忘れないであろう。

「飛び込み営業」による報告書にもリンク貼っときました。こっちの方が詳しくて、面白いです。


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