相対だより(01/05/02 その1)


……みんなどう思った?

というのが正直な感想なんだけど。もうとっくにご存じの方がほとんどだとは思いますが、お知らせです。

2001年4月4日、DVD版『ブルース・ブラザーズ』が発売されました。

¥3800。ついでに『2000』とかいう訳のわからんもんも\3800で出てますが、まあビル・ゲイツの5000倍くらい金持ちになって、なおかつ宝くじが当たった場合、買ってやらんでもないこともないような気がしないでもないですね。あと

『ブルース・ブラザーズ&ブルースブラザーズ2000 初回限定パック/¥6980』とかいう

本当にどうでもいいというか

悪意としか言いようのないものもあるようです。

もちろん買いましたよ。余計なものがついてないヤツ。で、これが問題なんだが、どうも「ディレクターズカットヴァージョン」らしいのだな。どうしてこう、映画会社の人は映画をDVD化するときに余計なオマケをつけずにはいられないのだろう。誰かに脅されてるとしか思えない。一応、同封の解説書ではランディスがこんな言い訳をしている。

『ブルース・ブラザーズ』の初めての試写は、ロサンゼルス西部のピコ大通りにあるピクウッド・シアター(その後、劇場は取り壊しになりショッピング・モールになっている)で上映したんだ。このオリジナル版は昔のロードショーと同じアトラクション的な映画として上映したかったから、途中で休憩時間を入れてね。試写が終わると映画館主たちは揃って“この映画を見る白人はいないだろう”ってユニヴァーサルに伝えたんだ。それで、上映時間を大幅にカットせざるをえなくなってしまったのさ。

……で今回のDVD化にあたって、行方不明になってたフィルムをあちこちから探してきて、「ディレクターズカットヴァージョン」を仕立て上げたんだそうな。ふうううううーーーーん。

いらねーよンなもん! 

劇場公開版でイイじゃんよ。つーか追加するのは構わんが、同時に劇場公開版も発売して欲しかったな。追加されたシーンをおおざっぱに分類させてもらうと、

1.ストーリー進行に関するシーン

2.音楽シーンでカットされたが復活したもの

3.その他

というところだろうか。少なくとも2に関しては、全く文句なしというかうれしかった。特に黒人街でのジョン=リー=フッカーの路上ライブ。あれが最初っから最後まで、キッチリ入ってたのは実にうれしい。また演奏が終わった後、「ありがとう、俺が50年代に作った曲でした」「ウソつけ!」「ウソじゃない。俺の曲だ」と口げんかを始めるシーンは、見ていても楽しいし、「黒人音楽」について考える上で、決してカットしてはいけないシーンだったと思う。

その他にもキャブ=キャロウェイやジェイムス=ブラウン、なによりブルース・ブラザーズ・バンドの音楽シーンにもいろいろ追加されている。むしろ劇場公開版のままなのは、アレサ=フランクリンとレイ=チャールズだけなのではないだろうか。これだけでもDVD版の価値を認める人もいるだろう。


さて俺は、このDVD版が「冗長」だという感想を持ったのだが、その大きな原因は1にある。クド過ぎるのだ。説明しすぎ。いらねー。そんなにあれこれ言わなくたって、こっちはストーリーがしっかり理解できるし、大丈夫。むしろ作品がもつドライブ感、スピード感のようなものが損なわれており、そのことでブルース・ブラザーズのカッコよさが色あせていると思う。

特に俺が問題視しているのは、追加されたシーンがストーリーを多少なりとも変えてしまっていることである。そもそも入れても入れなくてもいいシーンなら、長くなるんだから入れなくてよい。しかし今回追加されたシーンのいくつかは、『ブルース・ブラザーズ』という映画を別の物にしてしまっているのだ。

今回、この辺にいろいろ噛みついてみたいと思うのだが、まあまだ観てない人もいるだろうし、ネタバレ防止のために別ファイルに移ります。

既にDVD版を観た方、ネタバレでもイイやという方はこちらへ

いずれにせよ、劇場公開版のDVDは必要! 早く出せ! 以上。


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