祝・G20発売!!その1

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まったく酷い雑誌が出たもんだ。アスキーの「G20」。ガンダム20周年ということで出たガンダム専門誌らしいのだが、そりゃ期待するなってえ方が無理だよな。アニメ誌や模型誌じゃなくって、雑誌の頭から終わりまでまるごとガンダムなんだから、俺のようなガンダム者にしてみりゃ狂喜乱舞、正しく夢の雑誌と言わざるを得まいて。俺は延びに延びた発売日もものともせず、期待に震えて待っていた。

ところが買ってみて大失望。なんだこりゃ。結論から言って、自分で作った自分のHP見てる方がよっぽど面白いし、ためになる。発見すらある。そんな雑誌だった。とにかく薄い。外も中身も。

不満は山ほどあるのだが、まずは順番に最初から。まずどこにも売ってない。発売当日、近所ではけっこうオタク度の高い本屋で探したがなかった。池袋へ行ったついでにジュンク堂、リブロも探したがない。池袋におけるオタッキーの巡礼地、BOOKSファントムまで足を伸ばしたがここにもなかった。翌日神保町へ行ってようやくゲットできた次第、事前に情報がなかったら、絶対気づかないままだったと思う。売る気あんのかこいつら、である。

で、手にとってまずその薄さにゾッとさせられる。なんだこりゃ。映画のパンフレットか?これで\840もするのか?高っけー。それでページ数はわずか74。表紙と裏表紙も含めて、だ。カラーページは21。ついでに言うと、今月のホビージャパンは358ページで\780。カラーページは170まで数えたところで止めた。だいたい190くらいか?

これだけ見ても、G20がいかに高額かご理解いただけるだろう。模型専門誌であるホビージャパンと比べると、全体のページ数がホビージャパンのカラーページ数の半分以下にもかかわらず、ホビージャパンより\60も高いのだ。信じられん。ま、確かに発行部数とか、広告の量とかいろいろあるだろう。単純にページ数だけを比較するのは苦しいかも知らん。

しかし消費者にしてみれば、そんなもんどうでもいい話だ。「高っけー」という気持ちに変りはない。ま、ページ数が少なくたって、良質の濃い情報がびっしり詰ってりゃそれなりにおトク感も出るのだが、中身もウスウスなんだなこれが、ほんとにもう。

デザインやレイアウトに凝っているのはわかる。大胆なスペースの取り方とか。しかしそんなもん、こっちにしてみりゃ「こんなムダなスペースに\840取られてるのか」という怒りしか湧いてこない。どうもオシャレっぽく仕上げたいのだろうが、オタク向けのロボットアニメで何をカッコつけようというのだろう。それにデザインやレイアウトが活きるのは、肝心の中身があってのこと。しょーもない内容にいくらツヤをつけたって、中身の空虚さが強調されるだけである。

で、内容。「内容はないよー」という小学生ギャグがぴったりである。基本的にどういう記事が多いかというと、どこの誰ともわからんヤツが「ガンダムかあ。懐かしいねえ。子供の頃よく見てたよ。まだあるんだねえ。すごいね。ザクとかでしょ? あったあった。カッコよかったなあ。ああいうのがきっと人気のヒミツだね。もう20年も経つんだあ。これからも頑張って欲しいね」とまあ、こんな感じ。

この手の「コラム」が次から次へと延々続くのだから、読んでるこっちはたまったもんじゃない。「ああ、この人たちガンダムのこと好きでもなんでもないんだな」というのが手に取るようにわかる名文ばかりだ。ああ腹立つ。あとは「僕は子供の頃、こういうガンダムごっこして遊んでたんだけど、懐かしいなあ。みんなはどう?」とか。頭痛てェ。見ず知らずのクソバカの思い出を、\840払って聞かされる方の身にもなって欲しいですね。

得てして本文よりも挿入されるギャグの方が多い、てえのがどのコラムにも共通する点で、こちらの水増され感も等比級数的に拡大だ。よっぽど書くことないんだろうな。ギャグっつってもしょーもない下ネタとかそんなんばっかで、ガンダムに絡めたネタは皆無。わざわざ「ガンダム専門誌」でやらなきゃいかんことか?「コミックゴン!」がガンダム扱った時のがよっぽど笑えたし、情報量も多かったぞ。

俺が一番キレたのは「白根ゆたんぽ」という、もう名前からしてダメダメなクソバカが書いたコラム。あんましスゲーから転載する。

ガンダム一応知っててプレイメイトが好きで夜中にはAMラジオ聞いて仕事しているイラストレーターといえば僕のことですが、今回はこの雑誌のデザイン番長でもある古賀くんから「ラジオの深夜放送とガンダムについてのテキストをお願いします」と頼まれたのでなんか書きます。

ふーん。あっそう。ガンダム「一応知ってる」んだあ。で、編集者に頼まれたんで無理矢理「なんか書いてる」ワケね。そんなんじゃあ面白えもんができるわきゃねーよな。だってガンダム大して好きでもないし、頼まれたから書いてるレベルだもんね。あのさあ、ひとつ聞いていい?

なんでそんな程度のオマエが「ガンダム専門誌」に長々とクソみてえな活字並べて金貰ってんだよああ!? 

ああよかった。この人のコラムが読めただけでも大枚\840も払った甲斐があるってもんだね。あのさあ、やる気ない風に見せたり斜に構えたスタンスとるのがカッコいいとか思ってんのかも知れないけど、それって通用するのは君のバカな仲間内のレベルだけだよ。仮にも金銭のやりとりが発生する「仕事」でそういうことを表立って言うのはね、

すっげえ失礼だし、客ナメんのもたいがいにしろ 

って言われちゃうよ。一っ番やっちゃいけないことだよそれ。例えばさあ、コンビニの店員が「残業やだっつったのに店長が無理いうから仕方なくやってるんですぅ」ってチンタラやって君の弁当をいつまで経っても暖めなかったらどうする?キレるよね、普通。「知るかそんなもん!!」って思うよね。君はまさにそれをやってるんだよ。な、最悪だろ?

ガンダムよく知らないけど頼まれたんでテキトーに書いてる、てーのが仮に事実だとしてもね、そういうことは黙っておくのが礼儀ってもんだよ。わざわざ活字にする必要なんかどこにもないんだよ。それともあれか?ギョーカイの内幕バラすのがカッコいいとか勘違いしてんのか?マスコミで仕事してることがそんなにうれしくて自慢したいのか?パンピーに羨望の眼差しで見られたいのか?

パンピーに笑われてるよ、おまえ。 

あと世間はおまえのこと誰も知らないし知りたいとも思ってないんだから、一人よがりな自己紹介を延々垂れ流すのは止めとこうね。みんなガンダムについて知りたくてこの本買ってんだし、おまえのことなんざ誰も興味持つわけないんだから、自意識過剰も甚だしいよ。おまえがプレイメイト好きだろうがなんだろうが、ガンダムには何一つ関係ないことなんだからさ。ま、字数稼がなきゃいけないっていう事情は察するけど、その不始末を精算するのは俺達の財布だってことも一応知っといて欲しいな。

書いた奴も書いた奴だが、それを堂々と載せちまう編集者もその程度である。ていうか、編集後記見たらこれまた素晴らしいので再び転載。

しかし今回の立ち上げ、大変でしたね。2ヶ月で新雑誌の立ち上げやっちゃうなんて

いやあそりゃ大変でしたなあ。こんな内容スカスカの出版物、私も久しぶりに拝見しましたよ。スーパーとかでタダで配ってる「今月のおかず」みたいなチラシの方がよっぽど読み応えありますよ。でもそれもしょうがないですね。なにせ2ヶ月しかなかったんですからねえ。ところで質問いいですか?そんなにも時間がない中でどうしてまたガンダムの雑誌なんて出そうと思ったんですか?この雑誌買って喜んでるガンダムファンって、どういう人を想定してるんですか?作ってる人の中で、ガンダム好きな人ってどれくらいいたんですか?もしかして「ガンダムとかいうアニメが20周年らしいんで、それ当て込んで金儲けしよう」とか思ってませんか?「表紙にガンダムって書いてりゃどうせバカなおたくが一通りは買うから、中身なんかテキトーでいいや」とか思ってませんか? 

外見も薄いが、中身も薄い。ガンダム専門誌を謳いながら、ガンダムについて書かれた部分は驚くほど少ない。なんつーか、ガンダムについて「考えた」部分が全くなくて、ただ「思った」ことだけがダラダラと書き散らかされているのだ。まるでサークルの落書きノートである。書いてる奴らはどいつもこいつも一人よがりで、ガンダムより自分の方が大事な勘違い野郎ばかりだ。

いろいろと悪口雑言を垂れてきたが、これでまあ俺の怒りの1/144でも表現できてれば大成功だ。いちいち取り上げていたらキリがない。この雑誌、たぶんガンダムマニアは買うべきではないし、おそらくそういう人向けに作られたわけではないのだろう、と推察する。この辺の考察は長くなってきたし、もうちょっと煮詰めたいのでまた後日。

あとさあ、岡崎優が描いた漫画版ガンダムって「まんが秘宝」か「このマンガがすごい!!」とかそういう別冊宝島系の本にも載ってたよ、ずいぶん前に。ツッコむポイントも同じだったしね、アムロがギレンの演説見てテレビぶっ壊すところとか。まあしょうがないよね、2ヶ月しかなかったんだもんね。でもいい加減、そういうの止めた方がいいと思うよ。


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