ヤクザに言論の自由はないのか?

ヤクザに言論の自由はないのか?

 97年1月22日付,朝日新聞夕刊の記事に依れば,ヤクザが開いたホームページが, プロバイダーの勧告により,自主撤退したとの報道があった.プロバイダーは内容に 驚いて警察に相談したそうな….                         俺様は,以前からヤクザとか右翼のホームページを検索していたのだが,どうも, これにと思うものに巡り会わなかった.表面に出たこの一件から推察するに,結局, 登場しても,排斥されてしまう?                         プロパイダーも軟弱で,すぐに警察に駆け込む体たらくである.このような輩には 表現の場を提供する職務上の断固とした使命感など期待すべくもない.この対応が, 後にどのような形を現すか?                           例えば,朝日新聞が散弾銃を持った人間に襲撃されたとき,『言論の自由に対する 明らかな挑戦である.主張はあくまで言論の場ですべきだ』とした.だが,暴力的な 存在だと認知されると,言論の自由はなくなるのだ.                もし,インターネットから追放されたヤクザが,武力で報復を開始したとしたら, その責任は誰にあるのか? 任侠道を行動で示さず,言論で示し始めた温厚な路線に 最初に攻撃を加えたのは,プロバイダーである.                  言論による表現の場を潰しておきながら,武力による報復は許さぬとする主張に, 何処まで正当性があるのか? はっきり言って,ヤクザ組織を,インターネットから 追放するのは,『あなた方に言論は似合わない』と主張するに等しい.        更に言えば,ヤクザをインターネットから追放することは,『それは,あなた方の やり方ではごさいますまい.あなた方には,ヤッパリ切った張ったがお似合いです. どうか心得違いをしないように…』と教育したにも等しい.             追放したプロバイダーに,その結果,起きるかも知れない事態に,何処まで責任を とる用意があるのか? 最初から使命感のないところに,このような問い掛けなど, ほとんど無意味ではあるが….                          日本のインターネットは,所詮,きれいごとだけで成立するつまらぬ世界である. 『テロ集団が,ホームページで主張を始めた』とする海外ニュースは何だったのか? 日本では考えられぬ世界である.                         警察当局も,一個人が流したH画像を見咎めて逮捕するなど,表現の場に介入する 実績造りにご執心である.国境のないインターネットの世界で,日本のサイト一つの 消滅がどれほどの効果があるのか?                        警察にとっては,インターネットと言う表現の場に介入できる道筋が出来た点で, 非常に大きな前進には違いない.警察権力の介入に,誰も,これを問題にしようとも しない.まるで共産圏の世界である.                      『警察当局のご指導の下,明るく健康的なプロバイダーを目指しております』きっと こんなプロパイダーの宣伝文句が一般的になったりする? 人工飼育されたひよこの ように,はみ出すこともない画一的なページが並ぶだけ….** 悪魔 **   
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