薄気味悪い軟体動物日本

　リマ日本大使公邸人質事件も，最終的に武力突入という形で決着がついた．日本人
人質の喜ぶ姿が大きく報じられた．日本政府も浮かれて，ペルーに対して経済援助の
継続を約束した…．　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　平和解決を要請して，その約束を取り付けたと信じ込んで，これに安住していたら
突然の武力突入である．日本人人質が，全員無事に開放されたこととは全く別個に，
ないがしろにされたテメェの立場に怒りがない．　　　　　　　　　　　　　　　　

『あれほど平和的解決を約束しておきながら，突然の武力突入とは何事かっ！　もう
テメェらに金はやらんっ！』国際的にどう非難されようが，これ位の主張をせずして
国家の威信はない．　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　フジモリ大統領からは『橋本に話せば秘密が漏れる』と公然と幼児扱いにされて，
平然としている．それは確かな現実だが，それは聞かぬふりで交わした約束が，何故
保護にされたかを追及しようともしない．　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　全世界的な非難を浴びようが，断固として主張することが，後に，それが国際的な
信用に繋がる．今回の武力突入では，捕虜のゲリラを現場で処刑したとの噂もある．
人命尊重とは人質とゲリラの区別はない．　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　日本が，この武力突入を支持したことで，今後，世界の何処で日本人の大量虐殺が
発生するか解らぬ．ＭＲＴＡメンバーは壊滅した訳ではない．支援する組織も世界に
散らばる．日本は，彼らゲリラの完璧な敵とみなされた．　　　　　　　　　　　　

　我が日本は，彼らの仲間を処刑したペルー政府に敬意を表した敵国である．報復は
大量虐殺しかない．もし日本政府がペルー政府に断固とした抗議したなら，ゲリラも
少しは日本を見直す．　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　国際的な非難を恐れて，沈黙する国家は，いかに建前できれいごとを並べ立てても
信頼に繋がることにはならない．フランスは，自己主張の末に核実験を強硬したが，
全世界の非難は，一過性のものに過ぎなかった．　　　　　　　　　　　　　　　　

　日本は，常に世界にいい顔ばかり向けようとして，どんどん信用を失墜して行く．
人質救出のために間に入ったシプリアーニ大司教は，『ゲリラも神の子であった』と
泣き崩れた．日本は，この大司教にどれだけの礼を尽くしているのか？　　　　　　

　マスコミに居座って，その日の糧を漁る卑しい評論家ドモも，そうした視点からの
問題をまるで考えようともしない．俺様のように，あまりテレビを見ない人間でも，
公邸に向かう大司教の姿は強い印象に残る．　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　連日のように公邸に足を運び，平和解決のために，労力を惜しまずに力を尽くし，
最後まで努力してくれたシプリアーニ大司教に対して，全く同じ気持ちで望んだ筈の
政府は，ペルー政府への感謝で悪しき本性を露呈してしまった．　　　　　　　　　

　本当に，日本が人命尊重を訴えたのであれば，シプリアーニ大司教と全く同じに，
深い悲しみがなければならぬ．ところがどうだ．結果は，自分達の命だけが大事で，
それ以外の犠牲には一顧だにしない．　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　要するに，人命尊重は建前だけで，本音は『強行突破もやむ負えぬ．人質の生命を
犠牲にするのも仕方がない』と考えていた．然し，日本国民に訴える勇気が政治家に
全くない．ここでもブリッ子政府の顔が出る．　　　　　　　　　　　　　　　　　

『日本人観光客が突発的に大量虐殺される事態が起こらねばよいが…』と思うのは，
あくまでも建前だけで，起きても仕方がないと思う．不幸にして俺様が日本人として
その被害に遭ったとしても彼らを責められぬ…．　　　　　　　　　　　　　　　　

　国家として，進むべき方向性も，なすべき主張も持っていない変な国なのである．
西洋人は，グロテスクな蛸を食うなど思いもよらず，これを悪魔のように忌み嫌うと
聞いたことがある．　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　日本という国は，欧米から見ると，このような蛸のような軟体動物のような気味の
悪い得体の知れぬ存在に思われているのかも知れぬ．世界は日本を徹底して利用して
後は野となれ山となれとうち捨てる…．　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　祖国を失い，辛うじて世界に散らばった日本人は，奴隷としてこき使われ，悲惨な
末路を迎える運命が待っている．中国人や朝鮮人にまでこき使われ，米搗きバッタの
ようにペコペコしながら…．＊＊　悪魔　＊＊　　　　　　　　　　　　　　　　　

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