2008年8月の私淑言

 


2008. 8. 21

北京五輪で女子ソフトボールが悲願の金メダルを獲得した。
前日午前のアメリカ戦で延長9回、夜のオーストラリア戦で同じく延長12回を投げ切った上野が、決勝戦でも登板。
予選リーグ、決勝トーナメントと敗れ続けたアメリカを、ここぞ、という大一番で1点に押さえ込んでの大金星だ。
次回ロンドン大会で公式競技から外れ、復帰のめどはないソフトボールの、最後の金メダル。
あらためて、おめでとう。

 


2008. 8. 17

北京五輪も折り返し点。
女子マラソンでは野口みずきが出場辞退、土佐礼子は故障のため途中棄権で、中村友梨香は13位。
怪我や不振に泣いた選手も多いけれど、ここまでに北島康介が平泳ぎの200mで五輪記録で優勝したり、柔道で谷本歩美や上野雅恵が連覇したり、レスリングでは金の吉田沙保里と伊調馨をはじめとして伊調千春と浜口京子も見事メダルを勝ち取ったり、男子フェンシングでの太田雄貴の大金星の銀メダルがあったり、体操男子個人総合で内村航平が同じく銀に輝いたりと、競技ごと、選手ごとに悲喜こもごも。
他国の選手ではやはりマイケル・フェルプスの競泳8冠が出色だろう。競泳でアメリカが獲得した金メダルの、2/3がこの人だ。
これから最終日まで、まだまだ続く熱戦に、目が離せない夏である。

 


2008. 8. 11

10日は柔道男子66kg級で内柴選手が連覇、女子52kg級で中村選手が銅。
中村選手は平成生まれの19歳。30歳の内柴選手は、4歳になる息子さんに「チャンピオンなのに、なんで勝てないの?」と言われての奮起だそうな。
そして11日、北島選手が男子競泳平泳ぎ100mで、世界新記録で見事な連覇だ。
男子サッカーのようにあっけなく、ほとんど良いところなしで終わるものもあるけれど、連日、そして刻一刻、届くニュースに一喜一憂の夏である。

 


2008. 8. 9

北京五輪2日目。
女子柔道48kg級で出場した谷亮子選手は、当初狙っていた金ではなかったにしろ、見事銅メダルを獲得した。
5度に渡る五輪出場、そしてその5度ともでメダル獲得。
しかも今回は出産・育児を経てのメダルである。
これを偉業と言わずしてなんと言うか。

心から申し上げる。
谷選手、おめでとう。

 


2008. 8. 8

7日の立秋を過ぎても、そこは8月、秋とは名ばかりの酷暑である。
こんな季節の今日8月8日、北京五輪が開幕した。
開会式の冒頭を飾った言葉は、論語、

有朋自遠方来、不亦楽乎 ―― 朋(とも)あり遠方より来たる、 また楽しからずや

全文は
『子曰、學而時習之、不亦説乎、有朋自遠方来、不亦楽乎、人不知而不慍、不亦君子乎。』で、
『子曰わく、学びて時にこれを習う、またよろこばしからずや。
 朋あり遠方より来たる、また楽しからずや。
 人知らずして慍(うら)みず、また君子ならずや。』となる。

始まる前から色々と問題の取りざたされているこの五輪。
遠来の友も迎える側も、そしてまた終わった後になっても、「また楽し」と気持ち良く思い返せる大会であってくれればと願う。

 


2008. 8. 3

月もあらたまった2日夜、漫画家・赤塚不二夫氏のご逝去を知った。
すべてが代表作のような方だけれど、私に一番馴染みが深いのは『バカボン』で。
最近になって、某家庭教師派遣会社のCMにキャラクターが使われて、懐かしく思っていたところだった。
またひとり昭和を代表する方が逝ってしまわれた。
心より御冥福をお祈りする。

 


 

 

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