2006年4月の私淑言

 


2006. 4. 29.

立待が我が家に来て今日でちょうど1年。
去年の今頃は生まれてはじめて迎えた『猫』という存在に望んで迎えたとはいえ戸惑って、寝ている立待を起こさないように忍び足で歩いていたが、それも遠い昔のことに思える。
1年前は我が家に着いて、保護主様がまだお帰りになる前だったとはいえわずか1時間でリビング窓際の一番日当たりの良い場所でごろんとのびて眠った子。
今日も気持ち良さそうに眠る。

 ダイニングセットの椅子もベッドのひとつ。

 角度を変えてアップで。

 そしてやっぱり居待と一緒。

 

膀胱炎になったり結石が出来たりいきなり連続で吐いたり色々あったが、大病と呼べるものはない。
どうか居待とふたり、元気に長生きして欲しいものである。

 


2006. 4. 26.

25日で、運転士を含め107人もの犠牲者を出した尼崎でのJR福知山線脱線事故から、1年。
あれほどの被害を出し、遺族、負傷者、追突されたマンションの住人はじめ関わった人々に傷跡を残しながら、事故は減らない。
前日には山手線と埼京線の線路が最大6cmも盛り上がり、あわや脱線という自体。
追悼式典で遺族が発した『命を運んでいる』という言葉の意味を、肝に命じて欲しいものだ。

 

そして、26日。チェルノブイリ原発事故から20年。
世界中に被害を及ぼし、事故および放射能による死者推計9000人といわれ、今なお広大な立ち入り禁止区域が存在する。
事故を起こし爆発炎上した4号炉を封じ込めた石棺は、突貫作業だったこともあってか、崩壊の危機すらあるという。
放射能汚染の『20年』は、『たった20年』でしかない。
まき散らされた放射能物質の半減期ははるか遠い。

 


2006. 4. 23. 『ナルニア国物語 ライオンと魔女』

祐さんと2人で、公開中の映画『ナルニア国物語 ライオンと魔女』を見て来た。
1人で見ても良かったのだが、ディズニー映画というのに微妙に不安を覚えた私がお願い&お誘いして付き合っていただいたのだ。
大正解。
ビバ先見の明。

で、肝心の映画の感想は、というと。

魔女、強っ!!

これだけで、ご覧になった方には何のことかお判りいただけることだろうし、個人的にもうこれだけで十分なような気がするのだが、まあせっかくだから以下に伏せ字でつらつら感想など述べてみる。

 

まず冒頭。何故か第一次世界大戦の空襲シーンで、爆撃を受けて防空壕へ逃げ込む4兄妹。
エドマンドだけがピーターの言うことを聞かずに出征中の父親の写真を取りに自宅へ戻り、あわや、という目に。
が……。
原作でも確かに4兄妹は疎開してあの教授の家へ行くのだが、こんなシーンはない。
後々の、エドマンドがピーターの言うことを聞かない、ということへの伏線なのかもしれないが、いらないシーンではなかろうか。
ついでに言うと、どうにもこうにも4兄妹が可愛くなくて、このままだと辛いなあ、と思っていた。
だが、目が慣れたのか、役が役者にあってきたのかメイクの腕が上がってきたのか、段々気にならなくなっていた。
アスランの顔が妙に長いことには結局最後まで違和感を覚えたのだから、目が慣れたのではないのだろうけれど。

母親と別れて無事疎開先の教授の家に着いた4兄妹。
さっそくかくれんぼを始めて、ルーシーがクロゼットからナルニアへ、さらに信じてもらえないまま2度目、今度はエドマンドも、続いて4兄妹全員で、と、この流れは原作通り。
なのに、楽しみにしていたビーバー家での心地よさそうな歓待がほとんど削られていて、あのシーン好きとしてはちょっとがっかりした。
おまけに4兄妹、原作のイメージよりもはるかに仲が悪い
こんなに仲が悪かっただろうか、としばし悩んでしまった。
そんな個人的な感想はさておき、物語は進む。
4兄妹が来たことでアスランが帰還、冬のまま時間が止まっていたナルニアにクリスマスが訪れ、エドマンドをのぞく3人はサンタクロースからプレゼントをもらう。
一方エドマンドは白い魔女の捕虜に。
それを知った3兄妹は、エドマンドを取り戻すべく、ビーバーに導かれてアスランに会い、あっさりエドマンドを奪還。
本当の意味で魔女からエドマンドを解放するため、アスランが魔女に命を差し出す。
これを受けて魔女は本格的にアスラン軍への攻撃を開始、ピーターとエドマンド率いるアスラン軍もそれを迎え撃って大決戦、なのだが。
ここで最初の感想に戻るのだ。

魔女、強っ!!

だいたい、アスランを弑する場面の魔女もたいがい逞しく強そうだが、本来仮にも女王を名乗る魔女ならいくら総大将でも軍の後方に控えて強大な魔力で軍勢を支援するかと思いきや、戦場に立つ女王陛下、なんと白熊に引かせたギリシャ・ローマ風の戦車に乗っておられる。
が、戦況を睨みながらおもむろに白熊に命じて自ら戦場へ赴くのだ。
戦車の上ですらりと抜き放った剣は
双剣
鎖骨も上腕もむき出しのデコルテスタイルのドレスも凛々しく、剣を構える上腕の筋肉が美しい。
そのまま最前線へ突入なさった女王様、ばっさばっさと敵(いや本来この『敵』が善なのだが)と切り結んでは薙ぎ払い、疲れも見せずに倒して行く。
挙げ句、ピーターの隣に控えていたアスラン軍将軍格の
セントールまで、あっさり撃破なさるのだ。(注:ファンタジーのお約束として、通常セントールは人間よりも腕力膂力脚力すべてにおいてはるかに強いことになっている)
女王陛下、普通に強い。
わざわざ魔女としてナルニアに冬を招き君臨しなくても、
ごくスタンダードに武力でナルニア全土を制圧出来そうだ。
だいたい『魔女』といいながら、映画の中で彼女が使った魔法らしい魔法といったら、エドマンドにお菓子を出したのと、自分に刃向かうナルニアの民を氷像に変えたことぐらい。それも、お菓子はなにやら魔法の雫を雪にたらしてそこから生み出し、民は手にした剣で傷つけることで始めて氷像に変わる。
……それって魔女自身の魔力というより単に魔法アイテム持ってるだけでは?
結局ピーター殺害をエドマンドに遮られ、最後にはアスランに倒されて、魔女の野望とナルニア統治は終わりを告げるのだが、あれだけ強かった魔女があっさりアスランに倒されるのがちと不満。
というか、こんなに魔女がバカ強いなんて原作にはなかったように思うがどうだろうか。
ともあれ、魔女を倒した4兄妹がアスランからの戴冠を受けて王座につき、数年が経過して、やがて思い出してロンドンへ戻る、と、ここは原作に添う。
約3時間の映画を見て、残った感想が『魔女、強っ!!』。
なんだか間違った面白さのような気がするのは気のせいではないはずだ。
ところで、原作では魔女を倒した後、1人魔女のところにいたせいでプレゼントを貰い損ねていたエドマンドに、サンタクロースがプレゼントを渡しに来たのでは、と思ったのだが、どうだっただろうか……。

 


2006. 4. 20.

酒には弱いくせに、とあるモノについ好奇心を刺激され興味をそそられうっかり注文してしまった。

これ。

ニュースにもなったのでご存知の方もいるかもしれないが、ロシアの宇宙船ソユーズに載せて宇宙空間を数日漂った酵母で作った『宇宙酒』である。
参加全10酒造のうち、私が注文したのは土佐鶴のものだが、4月1日の発売以来、早いものはそろそろ完売も出ているようだ。
酒には弱いくせに味は判るという困った味覚の持ち主なので、ちまちま飲んでゆくつもりだが、興味があるなら飲みに来てみますか友人たちよ?

 


2006. 4. 16.

14日夕方、ゆりかもめが金属疲労による車輪脱落を起こして、この土日まるまる運休することになった。
沿線の商業施設にはさぞかし打撃だろうが、ゴールデンウィーク前だったのは幸いだろう。
95年の開業以来ずっと使い続けた車両の、いまさら全車両点検なんぞをこれを機会に行っている管理体勢も、どうかと思わないでもないが。

 

話は変わるが、居待が17日で1才になる。
去年我が家に迎えた時にも書いたように思うが、この子は野良だった母猫が保護主様宅に堂々上がり込みソファで出産した子なので、飼い猫の子ではないにもかかわらず誕生日がはっきりしている。
すっかり大きくなって、立待との体格差もほとんどなくなった居待の、この週末の姿をどうぞ。

 猫ベッドで毛繕い。

 枕にされてちょっと重そう。

 窓際の日向猫を、バルコニーから撮影。

 

ご心配をおかけした立待、すっかり回復しているので御安心を。

 


2006. 4. 12.

週末体調を崩した立待、その後は吐くこともなく食欲もあり、処方された薬も飲み切って、どうやら回復してくれたようだ。
「これで吐き気が止まらなかったら、最悪、癌を疑って超音波検査を」
と言われた時にはさすがにどうしようかと思ったが、吐き気がぶり返すこともなく、元気によく食べよく出しよく遊んでよく寝ている。
土日は風呂の簀の子にも来なかったが、そちらもすっかり復活。
相変わらずのベッド認定で気持ち良さそうによく眠る。
というわけで久々の簀の子猫。

 

目付きが悪いのは眠いせいなのでどうぞ御容赦を。

 


2006. 4. 9.

昨日居待のひげの写真をアップしようと準備していたのだが、直後に立待が体調を崩した。
私淑語を書いて写真も入れて後は夜アップするばかりにした16時、突然咳き込み毛玉を吐いたと思ったら、それからわずか30分ばかりの間に胃液を3度も吐いてしまった。
慌てて病院に連絡して、このまま様子を見るか連れて行くかを相談の上、夜の急変や嘔吐が続いた場合の脱水症状を警戒して、病院へ。
熱もなく、ぐったりしている様子もないため、とりあえず脱水症状予防に栄養剤と、吐き気止めを点滴、一晩様子見を、ということで帰宅したのだ。
が、嘔吐は止まらなかった。
帰宅してからも、1時間おき、2時間おきに胃液を吐く。
結局明け方4時頃までそれを繰り返し、落ち着いたのは空も白みはじめる頃だった。
よくぞ栄養剤を打っていたものだ。でなければ下手をすれば日付けが変わる前に脱水症状を起こしていたことだろう。
この時点で嘔吐は止まっていたし、食欲も少し戻っていたが、前日帰宅後に吐いた時点で病院には連絡してあったので、診療開始時間にあわせて再び立待を連れて病院へ。
嘔吐が止まらなかったら念には念を入れて血液検査とレントゲン撮影、と8日から言われていたので、そのまま立待を預けて一旦帰宅。
午後の診療開始時間にあわせて迎えに行って結果を聞く。
とりあえず血液に異常はなし。ただ、レントゲン画像では脾臓が少し腫れているそうで、もし嘔吐が続いて元気がないようなら、最悪、癌を警戒して、超音波検査の必要が出て来るそうだ。
再度栄養剤と吐き気止めを打ってもらって17時過ぎに帰宅。
23時現在まで、食欲もあるし嘔吐もない。
このまま落ち着いてくれることをひたすら祈るばかりである。

 


2006. 4. 8.

居待のひげは変である。
立待もウチに来てしばらくはまだ体が出来上がっていなかったこともあってかよくひげがぺきぺき折れていたが、居待はそれだけで終わらない。
折れた後のひげが変なのだ。

まず


枝毛。

さらに


カール。
どこかの海賊コックのまゆげのようだ。

でも、


こんな日常なのだから、少々ひげが変でも平気なのかも?

 


2006. 4. 1. 『Call me Call you』

劇団6番シード第28回公演 『Call me Call you』観劇。

「本物の交渉人…現る」
夕闇迫る午後6時…繁華街の雑居ビルに一人の青年が立てこもった。
TVクルーの生中継…包囲する警察隊…。
怒号渦巻く現場に現れたのは、ある老婦人だった…。

とパンフにある。
が、この『交渉人』、ただものじゃない。
みかけはただの『老婦人』だが警官もSITも心理学者も遠く及ばぬスーパーばーちゃん。
まさに『亀の甲より年の功』
触れ込みは『完全ノンストップ交渉劇』だがむしろ『完全ノンストップハイパーグランマ』。
こんな交渉人がもしいたら、日本の犯罪検挙率は…………立てこもり事件自体珍しいからそうそうアップはしないか(苦笑)。

 


 

 

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